研究課題
基盤研究(B)
細胞の極性は上皮細胞や神経細胞の機能に重要な役割を持つ。これらの細胞内で合成された分泌蛋白や膜蛋白はTGN(トランスゴルジネットワーク)等においてapicalやbasolateralに行く輸送小胞に分配、濃縮された後、目的地に運ばれてその役割を果たす。この一連の方向性を持った輸送を選別輸送と呼ぶ。近年、細胞の選別輸送に関わる分子(例えば、低分子量GTP結合蛋白質であるrab蛋白や、SNARE蛋白等)が知られてきたが、これらの蛋白の組織や個体における役割は明らかでなかった。そこで本研究では、gene targeting法を用いて、これらの分子(具体的にはrab8a,bやsyntaxin3、VAMP7等)の欠失マウスを作成し、その細胞の極性の形成、維持が正常に行われるか、器官形成にどのような影響を及ぼすかを解明しようとした。これらの遺伝子を欠失したマウスは発生に異常を来し、胎生致死になる可能性があるため、Cre-loxPシステムを用いた組織、時期特異的gene targetingを行った。当該研究期間内に、rab8a、syntaxin3、VAMP7の欠失マウスの作成は終了し、現在これら欠失マウスの表現型の解析を行っている所であるが、rab8a欠失マウスについては少なくとも生きて生まれてくるため、rab8aは組織形成には必須ではないと考えられる。更に当該研究期間内に神経の選別輸送に重要と考えられるadaptor proteinである、AP3Bの欠失マウスの形態学的解析を行い、これらのマウスにおいてinhibitory synapseのsynaptic vesicleの大きさに異常を来し、痙攣発作をおこすことを解明した。さらに神経の極性形成について研究を行い、樹状突起から軸索が形成できることや、抑制性神経では極性の形成が遅れること等を明らかにした。
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