研究課題/領域番号 |
14370009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲垣 暢也 秋田大, 医学部, 教授 (30241954)
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研究分担者 |
坂 信広 秋田大学, 医学部, 助手 (90333921)
山田 勝也 秋田大学, 医学部, 助手 (40241666)
古川 哲史 秋田大学, 医学部, 助教授 (80251552)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2003年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | ATP感受性K^+チャネル / 膵β細胞 / ノックアウトマウス / 黒質網様部 / 低酸素 / 全身けいれん / 呼吸 / 血管平滑筋 |
研究概要 |
あえぎ呼吸(gasping)は、組織中の酸素分圧が急速に低下した際などに現れて一定時間継続する特有の規則的リズムをもった呼吸パターンであるが、その中枢メカニズムは十分明らかでない。 今回申請者らは、細胞内ATP/ADP比の低下により開口するATP感受性カリウム(K_<ATP>)チャネルのKir6.2サブユニット遺伝子を欠失させたKOマウスが、低酸素環境でほとんどgaspingを起こさないことを見いだした。断頭により、正常野生型(WT)マウスでは平均10数回のgaspingを不すのに対し、KOマウスではほとんどgaspingを起こさず、有意な差が認められた。麻酔下のマウスから、低酸素負荷時の呼吸活動と横隔神経活動を同時記録することにより、WTマウスは正常呼吸型からgasping型へと極めて短時間で移行するのに対して、KOマウスではgaspingではなく正常呼吸型のリズムを変化させて対応する傾向を見いだした。ただし、KOマウスはgaspingを全く示さないわけではなく、呼吸停止の直前には2-3回のgaspingを示しうる。従って、KOマウスでは低酸素の情報がgaspingの開始となって現れるまでの経路に障害がある可能性が示唆された。KOマウスの延髄、橋領域の組織構築は、WTマウスのそれと差異がない。脳内で最もKir6.2を高頻度に発現する黒質網様部は同時に酸素分圧のセンサーとして機能していることを申請者らはすでに明らかにしており、現在黒質網様部とgasping制御との関連について更に検討を加えている。さらに、申請者らが単離した血管平滑筋型K_<ATP>チャネルのKir6.1サブユニット遺伝子のKOマウスを千葉大学の清野進教授より供与を受け、使用可能になった。今後、脳局所における神経活動に伴う血流変化におけるK_<ATP>チャネルの役割についても検討を加える予定である。
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