配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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研究概要 |
心臓において,ATP感受性Kチャネル(K_<ATP>)は心筋虚血時に活性化され,活動電位持続時間を短縮させることにより心筋細胞を保護する機能を持つ。K_<ATP>は細胞内ATPによって抑制され,逆に細胞内ADPや細胞膜脂質PIP_2によって活性化される。K_<ATP>はイオンチャネル孔を形成するKir6.2と,二つのATP binding motif (NBD1&2)をもつATP結合蛋白(ABC蛋白質)の一種,スルフォニル尿素受容体SUR2Aからなる8量体である。これらの分子のcDNAをもちいてKir6.2のNおよびC端にcyan fluorescent protein (CFP)を結合した変異体,SURをNBD1の前後で二分割し,かつyellow fluorescent protein (YFP)を結合した変異体を作成した。SURはKir6.2の開確率を増大させると共にglibenclamideが結合することによりチャネルを抑制する。SUR2AのNDB1よりもN端側をtruncateした変異体C640とKir6.2を共発現させたところ,チャネル開確率は増大しなかったが,glibenclamideによる抑制は観察された。しかしNBD1を欠くC970との共発現ではglibencamideによる抑制効果は見られなかった。そこでYFP-C640とKir6.2-CFP, CFP-Kir6.2を共発現させ,glibenclamide投与によりFRETが変化するか検討したが有意な変化は生じなかった。 次に蛍光ラベルされたATPの結合解離をFRETにより可視化することを試みた。Kir6.2-GFP, GFP-c640等をC細胞に発現させ,パッチ電極から蛍光ラベルしたATPを投与した。しかしGFPのみを励起する波長の光によっても蛍光ラベルしたATPが励起されたため,FRETを検出することは極めて困難であった。
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