研究課題/領域番号 |
14370023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 島根大学(医学部) |
研究代表者 |
紫藤 治 島根大学, 医学部, 教授 (40175386)
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研究分担者 |
渡辺 達生 鳥取大学, 医学部, 教授 (60182929)
丸山 めぐみ 島根大学, 医学部, 助手 (80346379)
橋本 道男 島根大学, 医学部, 助教授 (70112133)
小泉 晶一 金沢大学, 大学院, 教授 (50019973)
井元 敏明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (10109639)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 低体温 / 内因性低体温誘導物質 / 熱産生閾値 / 体温調節 / 電気泳動 / 質量分析 / 血清タンパク質 / 低体温症 / イオン交換クロマトグラフィ |
研究概要 |
我々は強度の低体温を示す極めてまれな患者さんを診る機会を得た。体温調節機能の検討から、患者さんの低体温は熱産生反応発現閾値が低下したことに起因すると考えられた。当該患者さんの血清をラットの腹腔内に投与すると著名な低体温が起きた。そこで本研究では患者さんの血液中に存在する可能性のある内因性低体温誘導物質の分離を試みた。患者さんの血清を遠心式濾過チューブおよび遠心式フィルターを利用して、10kDa以下、10〜30kDa、30〜100kDa、100kDa以上の分画に分離した。これらをそれぞれ3匹のラットの腹腔内に投与すると、30〜100kDa分画は全てのラットで低体温を誘導し、100kDa分画は1匹のみ低体温を誘導した。他の低分子分画および健常者のすべての分画はラットの核心温に影響しなかった。30〜100kDa分画には多量の血清アルブミンが存在するため、一次元および二次元電気泳動では患者さん血清に特徴的なバンドやスポットが明確に現れなかった。そこで、血清からのアルブミンの分離を試みた。アルブミンのアフィニティクロマトグラフィのカラムを用い、患者さん血清および健常者血清を吸着成分と非吸着成分に分けた。これらをラットの腹腔内に投与すると、非吸着分画は低体温を誘導しなかったが、吸着分画は低体温を誘導した。吸着分画をSDS電気泳動すると、患者さん血清には健常血清にはみられないバンドが複数存在した。その一つのバンドのゲルを抽出し質量分析で部分一次構造を決定し、ヒトゲノムのライブラリーより検索したところ、あるタンパク質のフラグメントであることが判明した。患者さんの血清には低体温を誘導する生理的タンパク質の分解産物が存在する可能性が示唆された。
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