研究課題/領域番号 |
14370036
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岩尾 洋 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00137192)
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研究分担者 |
光山 勝慶 熊本大学, 大学院・医学薬学研究科, 教授 (10195414)
泉 康雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10347495)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | MAPキナーゼ / アンジオテンシン / Thy-1腎炎 / ASK1 / 心臓リモデリング / トランスクリプトーム解析 / 心肥大 / 遺伝子導入 / 病態モデル |
研究概要 |
本研究では個々の病態に至るAKS、MAPキナーゼやAP-1の役割を明らかにすることにより、臓器障害の分子機構の解明や新しい治療戦略の開発を目指す基礎的研究である。ラット内膜肥厚モデルにDN-ASK1を遺伝子導入した実験と、ASK1ノックアウトマウスの実験から血管リモデリングにASK1が関与することが示された。さらに、正常マウスにアンジオテンシンIIのストレス刺激を約2週間持続すると血圧の上昇と共に心室肥大を起こす。このとき活性酸素種が増加し、この増加はテンポールやアンジオテンシン受容体拮抗薬により阻害されたが、カルシウム拮抗薬では減少しなかった。心肥大には心筋細胞の肥大化と血管周囲の繊維化が見られ、MAPキナーゼファミリーの中のJNKとp38がAKS1の下流で細胞内シグナルを伝達していることを示した。さらにASK1遺伝子欠損病態モデルマウスを用いて同様の実験を行うと血圧は同様に上昇したにもかかわらず心筋肥大や繊維化は著しく減弱していた。以上の結果は、心臓組織障害・臓器障害にAKS1とMAPキナーゼ直接関与していること証明し、MAPキナーゼファミリーが組織障害・臓器障害を防ぐための標的分子となりうることを示した。また、Thy1腎炎モデルラットの糸球体遺伝子情報(バイオインフォマティクス)の流れをトランスクリプトームチップを用いてスクリーニングし病態組織細胞内の分子変動の相互連関や各ステップの詳細な分子機構を解明することにより、各病態に特有な遺伝子群を明らかにした。病態発症早期にはMAPキナーゼと共にサイトカイン関連遺伝子の発現が増加し、時間経過を経ると増殖因子やTGF?遺伝子が増加した。このことにより、ASK1の下流に存在するMAPキナーゼファミリーさらには、より下流の転写因子であるAP-1が心血管リモデリングや腎硬化症の新しい治療標的になることを明らかにした。
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