研究課題/領域番号 |
14370047
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 正敬 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40009650)
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研究分担者 |
後藤 知己 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20264286)
寺田 和豊 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (00253724)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 小胞体ストレス / アポトーシス / CHOP / 糖尿病 / 分子シヤペロン / マクロファージ |
研究概要 |
小胞体では新しく合成された分泌タンパク質や細胞膜タンパク質などの折りたたみや糖鎖の付加などが行われるが、これらのプロセスが妨げられると異常タンパク質が小胞体内に蓄積し、小胞体ストレスを引きおこし、細胞の生存が脅かされる。最近、細胞はこれらのストレスを克服するために小胞体ストレス応答とよばれる経路を持つことが明らかになった。さらに小胞体ストレスが重度の場合には、アポトーシスによって障害細胞を除去する経路がはたらく。一酸化窒素(NO)は血管拡張、神経伝達、殺菌など様々な生理機能を持つ一方で、過剰に産生されると細胞死を引きおこし、種々の病気の発症に関与すると考えられている。従来、NOによる細胞死はDNA障害とp53の活性化を介するとされているが、その詳細は不明であった。最近われわれは、小胞体ストレス経路を介するNO誘導性アポトーシスの新しい経路を発見した。マウスβ細胞由来のMIN6細胞やマクロファージ株細胞に低濃度のSNAP(NO放出剤)を加えたところ、アポトーシスをおこしたが、DNA障害やp53の誘導は認められなかった。ところが、小胞体ストレスを介するアポトーシスに関与することが知られている転写因子CHOP/GADD153が著しく誘導されることを見出した。CHOPノックアウトマウスの膵島細胞やマクロファージはNOに抵抗性を示した。これらの解析より、NOによるアポトーシスが小胞体ストレスに引き続くCHOPの誘導を介しておこることが明らかになった。またインスリンの変異を持つAkitaマウスの糖尿病や、脳虚血による神経細胞死も小胞体ストレス-CHOP経路が関与し、CHOP遺伝子の破壊により著しく改善されることを見出した。
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