研究課題/領域番号 |
14370055
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究分担者 |
GABAZZA Esteban 三重大学, 医学部, 助手 (00293770)
鎌田 春彦 三重大学, 医学部, 助手 (00324509)
林 辰弥 三重大学, 医学部, 講師 (00242959)
和田 英夫 三重大学, 医学部, 助教授 (40158704)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | プロテインCインヒビター / セルピン / 腎癌細胞 / 浸潤・転移 / 遺伝子メチル化 / 特異的臓器発現 / 炎症 / 活性化プロテインC / SERPIN / 種特異的臓器発現 / HGFアクチベーター / 肝障害 / 肝再生 |
研究概要 |
プロテインCインヒビター(PCI)は、ヒトでは肝臓や腎臓などで産生されるセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)であり、血漿中では種々の凝固阻害因子や凝固促進因子の阻害因子として機能し、腎臓では尿プラスノゲンアクチベータ(uPA)の阻害因子として機能する。これまでの研究で我々は、PCIは腎臓では近位尿細管上皮細胞で発現され、腎癌患者の摘出癌部組織では非癌部組織に比較してPCI発現量が著しく低下していること、また、PCIが株化腎癌細胞の産生するuPAを阻害することによりin vitroでのマトリゲル浸潤能を低下させることを明らかにしてきた。一方、ラットやマウスではPCIは生殖臓器でのみ発現するため、PCI研究のモデル動物として不適当と考えられ、この点を解消するため、本研究ではマウスの受精卵にヒトPCI遺伝子を導入して、ヒトPCIと類似した発現臓器分布を有するヒトPCI遺伝子トランスジェニック(TG)マウスを作製し、研究を行ってきた。本年度は、最終年度に当たるため、昨年までの研究を発展させ、腎癌におけるPCIの発現低下機序の解明、及びin vivoにおけるPCIの癌細胞の増殖・転移に対する影響について集中的に検討した。また、ヒトPCI遺伝子TGマウスを用いて血漿PCIの病態生理機能を解析した。その結果、腎癌部におけるPCI発現低下機序については、ヒトPCI遺伝子上の蛋白コード領域の遺伝子変異による発現低下ではなく、PCI遺伝子の転写調節領域の特定のCpG配列がメチル化され、発現が低下していることを明らかにした。また、PCIの癌細胞の増殖・転移に対する影響については、マウスメラノーマ(B16)細胞及び株化乳癌(MDA-231)細胞にPCIを強制発現させることにより著しく低下することを明らかにした。また、PCI遺伝子TGマウスを用いた解析より、血漿PCIは病態生理学的には、血漿中の抗凝固セリンプロテアーゼの活性化プロテインCを阻害することにより、凝固促進因子及び炎症促進因子として機能することを明らかにした。
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