研究課題/領域番号 |
14370075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲葉 カヨ 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)
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研究分担者 |
高原 和彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90301233)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 樹状細胞 / T細胞活性化 / サブセット / 免役応答制御 / 細胞分化 / Th1 / Th2 / 抗原捕捉 / クロスプレゼンティーション / 免疫応答制御 / クロスプレゼンテイーション |
研究概要 |
生体内には表現型から分類されうる複数の樹状細胞サブセットが存在することが知られ、免疫応答の誘導におけるT細胞活性化能も種々の条件下で異なることが報告されている。そこで、生体内樹状細胞サブセットについて免疫応答の制御機構について検討した。 1)Id2遺伝子欠損マウスでは免疫応答がTh2へと極性化されているが、このマウスでは種々の活性化刺激に対してより多量のIL-12やIFN-γを産生するCD4+樹状細胞数が大きく減少していることが明らかになった。 2)一方、脾CD8+ DCが相対的に増加し、皮膚炎症が見られるIRF-2遺伝子欠損マウスを用いてリンパ系器官DCサブセットの割合と数を検討したところ、CD8-CD4+CD11b+ DCの絶対数と共に表皮ランゲルハンス細胞の減少が認められた。in vitro骨髄細胞から誘導したDCの機能は正常マウスに比べ未熟であるが、分化過程でのIRF-2遺伝子の導入によりその機能不全は解消された。また、IRF-2とIFN両遺伝子欠損マウスではこのような分化異常は認められないことから、生体内で産生されるIFNがIRF-2を介してDCの分化を制御していることが示された。 3)CD8+樹状細胞は生体に投与されたあるいは生体内に生じたアポトーシス細胞を捕捉することが示された。さらに、死細胞を取り込んだ樹状細胞は、それらに由来する抗原ペプチドをMHCクラスII分子ならびにMHCクラスI分子を介して効率よくT細胞に提示しその活性化を誘導することがin vitro実験系において確認された。 4)一方、死細胞を取り込んだCD8+樹状細胞によって提示された抗原を認識したCD8+ T細胞の一過性の増殖を誘導した後除去されたことから、生体内のCD8+樹状細胞は末梢免疫寛容の誘導と維持に働いていることが示唆された。 5)IL-3で刺激したヒトplasmacyotid pre-DCはI型IFNを産生せず、OX40Lの発現上昇を介してTh2応答への偏向を誘導することが示された。ウイルス刺激の場合は産生されるI型IFNによってTh1への偏向が誘導されるが、産生能を消失するとTh2応答が誘導された。
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