研究課題/領域番号 |
14370085
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051847)
|
研究分担者 |
田辺 将信 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80051928)
浅井 隆志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50175163)
小林 正規 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70112688)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | Entamoeba histolytica / Entamoeba dispar / アメーバ症 / 施設内感染 / 無菌培養 / 遺伝子多型性 / 赤痢アメーバ症 / 無症候性感染 / 赤痢アメーバ / 病原性 / Entasmoeba dispar / Emtamoeba dispar |
研究概要 |
赤痢アメーバ感染が高率にみられる各種施設利用者について疫学的、臨床的な検討を加え、分離株の性状の生物学的な特色を明らかにしようと試みた。その結果、抗原検索を含む糞便検査で約30%に達する高い活動性感染を示す施設もあった。しかし、臨床的には殆ど全員が無症候性の持続性感染であり、一部から分離されたアメーバは遺伝子、抗原レベルでは赤痢アメーバと同定されたものの、蛍光色素を用いた系でも組織培養細胞に毒性を示さなかった。キチナーゼ等4種の遺伝子の多型性に基づくアメーバのサブポピュレーションの同定法も開発し、施設から分離されたアメーバ株を検索した。得られた所見は極めて興味あるもので、同一の施設からは常に同一の遺伝子型が検出された。この事は施設内感染は、単一の感染者の集団への流入によって起こっている事を示唆している。また、わが国での最初の施設内感染事例のアメーバの遺伝子型が他の施設でも見い出され、利用者をフォローした結果、感染している利用者の移動によって感染が新しい施設に拡大したと判断された。この方法をタイ等の分離株にも適用したが、わが国の株との共通のパターンは殆ど見いだせなかった。本研究においては、非病原性のアメーバであるEntamoeba disparの研究の進展のため、無菌培養の試みを行ってきたが、世界で初めて確実な完全無菌培養系の作成に成功した。これにより、今後このアメーバの更に確実な同定法の開発などが可能となるものと思われる。また、アメーバの生物学的特徴の解明のため、脱嚢過程や含硫アミノ酸代謝の検討を行い、阻害剤の開発を行った。これらがリード化合物となりうるかどうか今後を継続したい。赤痢アメーバの実験感染モデルはハムスターなどを用いた肝膿瘍が最も多く使用されているが、経時的な観察が出来なかった。今回シリアンゴールデンハムスターのcheek pouchを用いて実験的膿瘍の形成に成功した。
|