研究課題/領域番号 |
14370115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10156119)
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研究分担者 |
入江 厚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30250343)
千住 覚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50274709)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | T細胞 / MHC / 自己免疫疾患 / エピトープ / 細胞内シグナル伝達 / 胚性幹細胞 / 樹状細胞 / 腫瘍免疫 / ES細胞 / TCRアンタゴニスト / T細胞シグナル伝達 / ZAP-70 / PKC / ヘルパーT細胞 / 抗原ペプチド / 抗原認識 / 交叉反応 / 分子擬態 / 自己免疫 / インバリアント鎖 / 発現クローニング |
研究概要 |
抗原提示細胞とT細胞の相互作用の観点から免疫応答制御の分子機構を解明し、さらに自己免疫疾患病因の解明と治療法の開発へアプローチすることをめざして研究を行い、以下のような成果を得た。 1.CLIP/抗原ペプチド置換インバリアント鎖遺伝子を利用したエピトープ提示ライブラリーを用いることにより、T細胞クローンが認識できるエピトープの多様性を解析できるシステムを開発した。これを用い、IDDM患者から樹立したGAD65ペプチドに自己抗原反応性を示すTh細胞クローンについて、認識できるエピトープの共通性(パターン)を明らかにし、さらに、交差反応性を示す微生物抗原を同定した。 2.T細胞の抗原認識は厳密に制御されていると考えられていたが、化学構造の酷似した抗原アナログペプチドに対しても、抗原提示細胞上の濃度がある閾値よりも高い場合に、T細胞がこれを認識し増殖応答を示すことを明らかにした。さらにこの場合、抗原の刺激と異なり、T細胞受容体近傍に存在するZAP-70の活性化を伴わない、ユニークなシグナル伝達機構が用いられることを示し、このシグナル伝達機構に関わる分子としてB-Raf、PKCμを同定した。 3.マウスES細胞から樹状細胞を分化誘導する方法を用いて、ES細胞の段階で遺伝子改変を行った後に樹状細胞(ES-DC)へ分化させたものを生体内へ移入し、免疫制御を行うモデル実験を行った。その結果、卵白アルブミン(OVA)抗原とケモカイン(SLC)を共発現したES-DCにより、OVA特異的T細胞を活性化し、腫瘍拒絶能を強力に活性化できることが明らかとなった。また、ミエリンオリゴデンドロサイト(MOG)抗原と同時にT細胞に対して抑制効果を発現する分子をES-DCに発現させ、これをマウスに投与することにより、実験自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の発症を抑制できることを見いだした。
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