研究課題/領域番号 |
14370147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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研究分担者 |
佐藤 裕保 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (10337115)
土肥 祥子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
森田 明美 近畿大学, 医学部, 講師 (40262638)
相原 宏州 近畿大学, 医学部, 助手 (60330247)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 骨折リスク評価 / 椎体骨折 / 症候的骨折 / 骨密度 / 無作為抽出標本 / 縦断研究 / Vitamin D receptor genotype |
研究概要 |
骨粗鬆症による骨折のリスク評価法を確立するために、平成14年度に満6年の追跡調査を行い、15年度には症候的骨折の把握のための追加調査を実施した。 1.追跡調査の対象者は死亡や転居を除くと1588人で、受診者は1173人(73.9%)であった。 2.骨密度の低下を抑制する要因は、体重の維持または増加、週に2回以上の運動、1日コップ1杯以上の牛乳摂取、1日750mg以上のカルシウム摂取、週3回以上の納豆摂取であった。 3.調査時の問診と未受診者の追加調査から、6年間における60歳以上での症候的骨折、すなわち「痛みを伴い、医療機関でレントゲン撮影を受けて医師によって診断された骨折」を把握した。対象者355人中、骨折は121件あり、その内、わずかな外力による骨粗鬆症性骨折は56件、前腕骨遠位端骨折は26件、大腿骨頸部骨折は3件あった。 4.腰椎と大腿骨近位部骨密度は、それが低下するほど骨粗鬆症性骨折の可能性が上昇したが、橈骨遠位1/3骨密度では明らかではなかった。前腕骨遠位端骨折の可能性は、骨密度が最も高い群に対して、もっとも低い群で、大腿骨近位部骨密度では10倍以上、腰椎では約4倍、橈骨では約8倍にまで高まった。 5.ビタミンD受容体遺伝子多型の内、3末端側のFokI多型、5末端側のApaI多型とTaqI多型、さらにプロモータ領域のCdx-2多型である。いずれも骨密度や骨折リスクに明らかな影響は及ぼさなかったが、有経者ではFokI多型と中学時代の牛乳摂取と運動部所属に、閉経者ではApaI多型と現在の牛乳摂取に骨密度への相互作用があった。 以上より、現状では骨折リスク評価に耐えうる指標は骨密度であるが、その測定部位は骨粗鬆症検診で一般的に測定される前腕骨ではなく、腰椎か大腿骨近位部にすべきことが明らかになった。
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