研究課題/領域番号 |
14370163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西本 憲弘 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80273663)
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研究分担者 |
吉崎 和幸 大阪大学, 健康体育部, 教授 (90144485)
杉村 和久 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80127240)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 関節リウマチ / インターロイキン6(IL-6) / ヒト化抗IL-6レセプター抗体 / 血管内皮増殖因子(VEGF) / アデノウイルス / SOCS-1 / 負の調節因子 / アデノウイルスベクター / SSI-1 |
研究概要 |
インターロイキン6(IL-6)は関節リウマチ(RA)の病態形成に関与する。これまでにヒト化抗IL-6レセプター(IL-6R)抗体によるIL-6シグナル阻害がRAの新しい治療法になり得ることが、大阪大学を中心に全国29の施設の協力のもとに行われた臨床試験の中で明らかになった。また、IL-6阻害治療の効果発現機序に、IL-6阻害による血管内皮増殖因子(VEGF)の産生抑制を介した血管新生の調節ならびにマトリックス分解酵素産生抑制による骨・軟骨破壊の調節があることを明らかにした。これらの作用にはIL-1、TNFαとの相互作用が重要であり、IL-6はIL-1とTNFαの両方のサイトカインに絡むpivotalな分子である。したがって、IL-6の阻害が最も効率良くVEGFやマトリックス分解酵素の産生を抑制する。IL-6によるVEGFの産生調節はRAのみならず変形性関節症患者由来の滑膜繊維芽細胞やその他の繊維芽細胞でも見られ、さらにIL-6産生腫瘍である悪性胸膜中皮腫細胞においても認められた。 IL-6トランスジェニックマウスにAmyloid Enhancing Factor(AEF)を投与して二次性アミロイドーシスのモデルを作製した。また、抗マウスIL-6R抗体を用いた治療実験から、IL-6が二次性アミロイドーシスの発症に不可欠の分子であることがわかった。 新たなIL-6シグナルの阻害法として、サイトカインの細胞内シグナルの負の調節因子であるSOCS-1、3の遺伝子の至適導入法を検討した。従来のアデノウイルスでは滑膜細胞繊維芽細胞への導入効率は良くないことが判明した。昨年のRGDモチーフ導入アデノウイルスベクターに加えてファイバー変異を加えたウイルスベクターを作製し、遺伝子導入効率を上げた。また、CMVにさらなるプロモーターを種々のプロモーターに変え、遺伝子発現を試みた。 抗IL-6R抗体のscFvを作製した。この分子はIL-6依存性細胞の増殖を阻害し、かつSTAT3のリン酸化を抑えた。scFv化により、ウイルスベクターでの遺伝子導入が可能であり、遺伝子治療にも応用しうると考えられる。
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