研究課題
基盤研究(B)
同一の染色体上で近接した領域に存在するIL-4,IL-5,IL-13など喘息やアレルギーの起因となるサイトカイン発現が、T細胞の分化段階で全く同時に発現することに着目し、これら遺伝子を包括的に制御する分子機構を明らかにすることを本研究の目的とした。Th2分化はT細胞抗原レセプター(TCR)シグナルとIL-4受容体を介したシグナル伝達が協調的に働くことにより制御されている。本年度我々はIL-4受容体シグナルが、どのような時間軸でTh2分化の過程で起こるゲノムの動態を制御しているのかを経時的に検討するため、ヒトIL-4受容体を持つがマウスIL-4受容体が欠損されたマウスを確立し、内因性IL-4が働けない環境を構築し、ヒトIL-4による経時的Th2分化の誘導とIL-4遺伝視座におけるクロマチン構造の変化を解析した結果、TCRシグナル導入後、IL-4遺伝座の特定の領域では分化誘導条件とは関係なくクロマチンレベルでヒストンのアセチル化が起こり、構造変化は48時間後よりTh2分化条件下でのみが認められることが明らかにされた。また、我々はIL-4遺伝子内でTh2分化に伴いクロマチンレベルで構造変化が見られる領域を指標として、GFPをレポーターとしたトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。これら解析よりTh2特異的発現は、IL-4遺伝子の3'下流に位置する哺乳類間でゲノム構造がよく保存されているConserved Non-cording Sequence (CNS-2)と呼ばれる領域で制御されていることが明らかにされた。
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