研究課題/領域番号 |
14370169
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
三宅 幸子 国立精神・神経センター, 神経研究所・免疫研究部, 室長 (50266045)
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研究分担者 |
山村 隆 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第六部, 部長 (90231670)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | NKT細胞 / 糖脂質 / 自己免疫疾患 / Th2サイトカイン / コラーゲン関節炎 / I型糖尿病 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / ループスモデル / 糖脂質リガンド |
研究概要 |
NKT細胞を刺激して、Th2サイトカインを選択的に産生させることによって実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を抑制する糖脂質OCHを発見した。OCHは、α-GCのスフィンゴシン鎖を短縮した誘導体であるが、OCH、α-GCさらにスフィンゴシン鎖がα-GCとOCHの中間である合成糖脂質を比較すると、スフィンゴシン鎖が短いとNKTハイブリドーマを活性化可能な時間は短くなり、スフィンゴシン鎖の長さがCD1との結合安定性と相関した。また、IFN-γ産生能はスフィンゴシン鎖の長さと相関し、CD1との結合性安定性と比例した。セルソーターで分離したNKT細胞を、固相化抗CD3抗体を用いて時間を変えて刺激すると、IL-4産生は2時間の刺激で起こったが、IFN-γの刺激は3時間程度の刺激が必要であり、IFN-γ産生にはIL-4産生よりも長時間の刺激が必要であった。NFAT誘導阻害剤であるサイクロスポリンAを添加すると、IL-4、IFN-γ両者とも産生がみられなくなった。蛋白合成阻害剤であるサイクロヘキサミドを加えると、IFN-γのみmRNA産生が抑制されIL-4は影響がなかった。DNAマイクロアレイを用いた検討で、α-GC刺激のみで上昇がみられ、IFN-γ産生に関与することがしられている転写因子を検索すると、c-Relがα-GC刺激で選択的に上昇していた。c-Relのdominant negative mutantを、レトロウイルスベクターを用いて分離したNKT細胞に遺伝子導入した細胞では、刺激によるIFN-γ産生が著しく抑制され、c-RelがNKT細胞のIFN-γに重要な因子であることが明らかとなった。 OCHが実験的自己免疫性脳脊髄炎の他、コラーゲン関節炎、NODマウスにおける糖尿病などの病態を抑制できることを明らかとなり、Th1細胞優位な臓器特異的自己免疫疾患治療に広く応用できる可能性があることが示唆された。
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