研究課題/領域番号 |
14370186
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 宮崎大学(医学部) |
研究代表者 |
坪内 博仁 宮崎大学, 医学部, 教授 (60145480)
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研究分担者 |
井戸 章雄 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30291545)
宇都 浩文 宮崎大学, 医学部, 助手 (20347058)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / 肝幹細胞 / oval cell / 70%部分肝切除 / 2-acethylaminofluorene / 抗体アレイ / c-Kit / AFP / ovall cell / c-kit / 肝細胞増殖因子 / oval cell分化 / 肝前駆細胞 / 骨髄細胞 / 分化 / 細胞増殖 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor, HGF)は、肝細胞などの種々の上皮細胞の増殖を促進させるだけでなく、肝の発生や胚性幹細胞および骨髄細胞の肝細胞への分化にも必須の因子と考えられている。oval cellは肝障害時に門脈域周囲に出現する肝前駆細胞の一つと考えられており、胆管細胞または肝細胞に分化する能力を有し、肝再生において重要な役割を果たしていると報告されている。本研究では2-acethylaminofluorene (2AAF)/部分肝切除(PH)ラットに遺伝子組み換え型ヒトHGFを投与し、HGFのoval cellの分化・増殖に及ぼす影響を検討した。6週齢のFischerラットに肝切除の1週間前から2-AAFを計5回経口投与し、70%部分肝切除後に浸透圧ポンプを用いて遺伝子組み換え型ヒトHGFを腹腔内に7日間持続投与した。2-AAF/PHラットにHGFを腹腔内持続投与すると、oval cellの増殖は促進され、免疫組織学的検討から、HGFはc-Kit、AFP、CK8およびCK18発現細胞をより早期に出現させた。さらに、抗体アレイによる解析で、HGF投与により肝細胞特異的蛋白の発現亢進が認められた。HGF投与によって血清および肝組織中ヒトHGFが上昇し、肝組織においてHGFのレセプターであるc-Metのチロシンリン酸化が亢進した。以上のことから、腹腔内投与されたヒトHGFがラット肝に作用し、HGFがoval cellの増殖のみならず肝細胞への分化をも促進する可能性が示唆された。すでに機能的に分化した肝細胞の再生をHGFが促進し、また肝幹細胞の分化・増殖をHGFが誘導することが考えられ、HGFを用いたより効率的な肝の再生・修復という全く新しい治療法の臨床応用の可能性が期待できる。
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