配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
1.北海道十勝地区における疫学調査 北海道十勝地区のMS有病率は10万人あたり8.56人であり,西洋の有病率と比べると低いものの他のアジア地域と比べると高かった.視神経脊髄型MSの頻度は16%であり,日本の他地域と比べると低い傾向が見られた.臨床的には視神経と小脳病変の頻度が低く,西洋人MSと似た臨床像を呈する傾向が見られた. 2.MS疾患感受性遺伝子の検討および臨床表現型,免疫学的側面との関連 MS患者および健常者の末梢血白血球からDNAを分離し,疫学的,免疫学的側面から候補遺伝子を選定し,それら遺伝子多型とMSとの関連を検討した結果,estrogen receptor, osteopontin, C-C chemokine receptor2遺伝子多型とMS発症や臨床像との関連が認められた.HLAに関してはロジスティック解析にてDRB1^*1501が独立したMS発症の危険因子であることが再確認され,estrogen receptor PvuII多型と交絡し更に危険率が高まることが判明した.また,髄液中OCB陽性の通常型MSはDRB1^*1501と,OCB陰性の通常型MSはDRB1^*0405と相関することが判明した. 3.MS臨床的多様性の解析とその遺伝的背景の検討 MSの診断基準を満たす症例の内激しい増悪(急性横断生脊髄炎,初回増悪での高度の両側視力障害,呼吸不全や意識障害,痙攣発作,MRI上の破壊性病片など)を呈する症例を検討したところ,これらの患者の臨床像,髄液所見,遺伝的背景は比較的均一であることが判明した.このことから,特発生炎症性脱髄生疾患理解における従来の時間的多発,空間的多発という概念に加えてattack-related severityという第三の軸を提唱した.
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