研究課題/領域番号 |
14370229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 客員助教授 (60322244)
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研究分担者 |
池田 安広 (池田 安宏) 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00260349)
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00322248)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 心筋細胞 / アポトーシス / JNK / ミトコンドリア / チトクロムc / カスパーセ / 情報伝達系 / カスパーゼ / c-Jun N-terminal kinase / アデノウイルス・ベクター |
研究概要 |
急性心筋梗塞の最も有効な治療法は、虚血早期の再潅流療法であるが、虚血心筋の急激な酸素化は酸化ストレスによる心筋細胞傷害、細胞死を誘発することが知られている(再潅流傷害)。従来、心筋虚血、再潅流傷害による心筋細胞死は壊死によるものと考えられていたが、近年の研究によりアポトーシス関連分子の重要な役割が明らかになった。したがって、心筋虚血再潅流におけるアポトーシス活性化機構を解明することにより、細胞死を制御し、虚血心筋細胞を救済できる可能性が生まれる。応募者らは虚血再潅流時に酸化ストレスにより心筋細胞がアポトーシスを起こすことを明らかにし、その際、MAPキナーゼ・サブファミリーであるJNKの活性化が重要であることを見いだした。JNK活性化により心筋細胞はアポトーシスを起こすが、これにはミトコンドリア経路で活性化されるカスパーゼ9の活性が必須であった。さらに、応募者は、活性化したJNKは、細胞内のミトコンドリア近傍に局在すること、ならびにJNKが直接ミトコンドリアに作用し、チトクロムcを放出させることを発見した。しかも、このJNKの作用にはミトコンドリア以外の細胞成分が関与しないことも見出し、JNKの標的分子がミトコンドリア上に存在することを示した。以上の知見から、心筋細胞に酸化ストレスが加わったときには、酸化ストレス→JNK活性化→ミトコンドリアからのチトクロムcの放出→カスパーゼ9の活性化から構成されるアポトーシス・カスケードが働くことが強く示唆された。さらに、JNKは、血管平滑筋、マクロファージにおいてマトリクス・メタロプロテアーゼ系を活性化し、組織リモデリングにも深く関わっていることが示された。
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