研究課題/領域番号 |
14370246
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平家 俊男 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90190173)
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研究分担者 |
足立 壮一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10273450)
依藤 亨 京都大学, 医学研究科, 講師 (60220779)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2003年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2002年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 骨格筋 / 可塑性 / 放射線照射 / c-kit遺伝子 / satellite細胞 / 筋ジストロフィー症 / 骨髄細胞 / 幹細胞 / GFP / single fiber culture / ラミニン |
研究概要 |
近年、造血幹細胞移植を受けた個体において、骨格筋を含む様々な組織に、ドナー由来の細胞が分化することが示された。この現象は、骨髄組織において、1)造血組織の枠を超えて様々な組織に分化し得る幹細胞が存在する、2)造血幹細胞が造血組織の枠を超えて分化し得る可塑性を有する、という2つの可能性を示唆する。一方、組織の枠を超えた分化は、レシピエントの組織細胞とドナーの造血細胞との融合により生じるとの報告もある。骨格筋再生の機構において、上記の3種類の機構のうち、どの機構が主となる再生機構を担うのか明らかではない。今回我々は、GFPトランスジェニックマウスに由来する造血幹細胞分画を用いて、放射線照射マウスや、c-kit遺伝子の変異を有し幹細胞が減少するW/Wマウスに移植し、骨格筋再生過程における役割について検討した。さらに、骨髄に存在する非血球細胞より、骨格筋細胞に分化する細胞の同定を試みた。まず、移植GFP陽性KSL骨髄細胞の、骨格筋への分化を確認した。その結異、造血幹細胞分画に、骨格筋へと分化し得る細胞郡が存在することが確認された。しかし、このGFP陽性筋繊維は時間の経過とともに衰退し、移植後30日には可視的には観察できなくなった。しかし、この時期の筋肉組織より1本の筋繊維を分離し、in vitroで培養して詳しく観察すると、1本の筋繊維の周辺に、GFP陽性の筋繊維が出現する現象が観察された。従来より、ラミニン層下筋肉組織表面にはsatellite細胞という筋肉幹細胞が付着していることが知られている。我々の行ったsingle fiber cultureはこのsatellite細胞の動態を観察する実験系であることが、従来より確立されており、出現する筋繊維は、satellite細胞に由来することが証明されている。我々の実験で観察されるGFP陽性の筋繊維は、satellite細胞に由来して分化したと考えられるとともに、そのsatellite細胞は移植されたKSL細胞に由来することが示唆された。さらに、in vitroにおいて、骨格筋への分化能を有する細胞郡を同定することを目的として、新規のsphere法を組み入れた方法を用いて試みている。現在、得られた細胞郡に対して、分可能を検討中である。
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