研究課題/領域番号 |
14370265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中駄 邦博 (2003-2004) 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00301010)
塚本 江利子 (2002) 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40201636)
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研究分担者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
森田 浩一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20210172)
中駄 邦博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00301010)
久下 裕司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70321958)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | glucose metabolism / positron emission tomography / deoxyglucose / tumor / inflammation / glucose transportor / glucose transortor / emission tomography / 腫瘍 / 感染症炎症 / 非感染症炎症 / ステロイド / グルコーストランスポータ / ヘキソキナーゼ / ARG / FDG |
研究概要 |
1.モデル動物でのFDG集積とGLUT, Hexokinaseとの関連 悪性腫瘍におけるFDGの不均一分布を引き起こすメカニズムを明らかにするため、Autoradiography上にて、腫瘍組織内のFDG分布と局所のGLUT-1、GLUT-3及びHexokinase-IIの発現を比較検討した。腫瘍組織における局所のGLUT-1、GLUT-3及びHexokinase-IIの発現は腫瘍組織内のFDGの不均一性分布を引き起こす重要な因子であることが示唆された。 2.モデル動物での薬剤負荷におけるFDG集積の変化 (1)悪性腫瘍や炎症へのFDGの集積機序をブドウ糖代謝の酵素の増加及び膜輸送遺伝子の発現などの観点から明らかにするため、腫瘍と炎症組織のグルコーストランスポーター(GLUT)の発現に及ぼすインスリンとグルコース負荷の影響を検討した。実験的腫瘍と炎症モデルにおいてはFDGの集積には主にGLUT-1およびGLUT-3の発現が関与しており、インスリンやグルコース負荷によりGLUTが修飾された結果、FDGの集積も変化する可能性が示された。 (2)ステロイドには血糖値を上昇させる作用があり、腫瘍のFDG集積に影響を及ぼす否かを確認するため、実験的腫瘍モデルを用いて、悪性腫瘍へのFDG集積に及ぼすステロイドの影響を検討した。ステロイドの前処置によって、血糖値が少し上昇するにもかかわらず、腫瘍へのFDG集積には有意な影響が認められなかった。この研究から臨床で頻繁に利用されているステロイド治療はFDGを用いた腫瘍診断に大きな妨げにならないことが確認できた。 3.臨床例での悪性腫瘍の鑑別 FDGの炎症病変への集積による偽陽性所見を呈すること、逆に小病変では検出できなく、偽陰性となることなど、FDG-PET検査の限界も明瞭となった。^<11>C標識酢酸は前立腺において正常から癌に至るまでの集積があり、前立腺癌の主病巣の診断に本剤を利用するには限界のあることが明瞭となった。しかし^<11>C標識メチオニンPET検査ではスコアでも定量法にてもすべてを鑑別できた。このように通常の画像診断では判定の困難とされる放射線治療後の再発と放射線壊死との鑑別において、^<11>C標識メチオニンPET検査は極めて有効と結論できた。
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