配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
経頭蓋超音波システムは,頭蓋内の血流量や組織をリアルタイムに可視化することができる.しかし,超音波は頭蓋骨を透過しにくいため,従来は超音波探触子を,骨の薄い側頭骨に固定し検査を行っていた.このように,超音波を任意の部位(前頭部,頭頂部,.etc)から透過させ,その内部信号を用いて診断を行うシステムはまだ開発されていない. 本研究では,頭蓋骨透過が可能な新しい超音波システムを開発してきた.人工骨(厚さ:12mm)を用いて骨下の組織の識別に成功した.さらに,従来確認できなかった,比較的厚さのある前頭骨(約3-7mm)を超音波が透過することを確認した.超音波を前頭部から透過させ,その内部信号から頭蓋骨と脳組織の可視化を行う.一般に,頭蓋骨の表面と底面からの信号を分離することと,脳組織からの信号を確認することは困難である.そこで本手法は,解剖学的知識とファジィ推論を用いて反射波の特徴値から各境界の位置を特定し画像化する.特徴値として,形状,振幅値,位置を用いた.本手法の有効性を検証するために,アクリルと軟組織で構築されたファントムモデルと牛の頭蓋骨と脳組織で構築されたアニマルモデルに適用した結果,すべてにおいて頭蓋骨(アクリル,牛頭蓋骨)と脳組織(軟組織,牛脳組織)の表面の形状を得ることができた.最後に本手法を人体へ適用した.前頭部から超音波を透過させ,内部信号から可視化を行った結果,表皮,頭蓋骨,脳表の形状を確認することができた.得られた形状をMR画像と比較することで評価した結果、ほぼ正確に抽出していた.今後の課題としては、各組織の可視化、あらゆる部位から疾患箇所の可視化、画像化精度の向上などが上げられる.
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