研究課題/領域番号 |
14370285
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
梅田 泉 帝京大学, 薬学部, 講師 (40160791)
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研究分担者 |
西郡 秀夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (90050517)
荒野 泰 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ナノパーティクル / がん治療 / 内用放射線療法 / リポソーム / 配位子 / 標識法 / ライソゾーム / リガンドデザイン / 細胞内分布 / 温度感受性 / イオノフォア / モノクローナル抗体 / 尿中排泄 / センチネルリンパ節 / ポリエチレングリコール / 放射線治療 / レニウム-186 / 188 / テクネチウム-99m |
研究概要 |
内用放射線療法の実現には、標的指向性はもちろん重要であるが、骨髄・肝臓・脾臓等、正常組織の被ばくを避けることが最大の課題と考え、この点を中心に検討を進めた。 1 放射性核種のキャリアとしてリボゾームを用い、^<186>Re/^<188>Reや^<90>Yなど治療用核種の封入を想定して、封入方法やリガンドの検討・開発を行い、内用放射線療法を可能とする高濃度標識法を確立した。その際、単に高い標識率や腫瘍集積性を得るための標識法やリガンドの選択では、正常組織への非特異的集積が大きくなる可能性があり、十分な配慮の必要性を明らかにした。 2 抗体-核種の直接結合では放射活性の体内分布は抗体の挙動にのみ依存するが、リポソームやリピドスフェアなどのキャリアを用いることで、もっと緻密な制御が可能となった。リポソームの場合、核種は腫瘍に高率に集積し、その後にリポソームから放出され、放出後はリガンドの性質により体内動態が異なることが認められた。細胞内分布等の詳細な検討から、いずれの組織でも、^<67>Gaや^<111>In(おそらく^<908>Yも)は金属の性質として細胞質からライソゾームに移行し、細胞内に滞留するが、高親和性リガンドと結合させると細胞質に留まり、やがて細胞外に放出されることが明らかとなった。従って非特異的集積の低減にはリガンド選択が極めて重要であり、さらに細胞膜トランスポータによる排出などのリガンドデザインによって能動的に低減できる可能性が示唆された。 3 腫瘍部分への十分な集積を確保した上で、体内に残る放射線核種を能動的に排泄させる系の構築を試みた。血液循環中のキャリアを外部刺激によって壊し、放出核種を腎排泄に導くことや、いったん肝臓に移行させ、肝臓から迅速に排泄されるリガンドデザインを行う等の検討を行い、有望な知見を得ている。しかし、外部刺激応答性の導入で腫瘍集積性が大きく低下するなど新たな問題点が生じたことから、さらに検討を続けている。
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