研究課題/領域番号 |
14370286
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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研究分担者 |
大島 孝一 福岡大学, 医学部, 助教授 (50203766)
淡河 恵津世 (淡河 悦代) 久留米大学, 医学部, 講師 (20204729)
鈴木 弦 久留米大学, 医学部, 助手 (80279182)
戸田 幸博 久留米大学, 医学部, 助手 (80217512)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | MALTリンパ腫 / chemokine receptor / CXCR3陽性リンパ球 / 頭頸部MALTリンパ腫 / 胃MALTリンパ腫 / H.Pylori / 放射線単独治療 / 多施設共同研究 / chemokine recetor / PCR解析 / CD20 / 他施設共同研究 / 新WHO分類 / 頭頸部初発 / 予後因子 / H. Pylori |
研究概要 |
基礎的な研究についてはMALTリンパ腫患者16例の病理組織とその患者の末梢血のリンパ球を用いて、chemokine receptorとそのリガンドを比較検討した。その結果、MALTリンパ腫は局所の腫瘍が全身に広がるのではなく、逆に末梢血中のCD20/CXCR3陽性という比較的特殊なBリンパ球が局所の慢性炎症に関与して腫瘍化している可能性があることがわかった。 一方、1983年から2000年までに我々が治療した頭頸部領域の限局型のリンパ腫287例について、臨床病理学的に検討した結果、MALTリンパ腫29例は他病死を含む全生存率が5年、10年とも80%を越え、他のどの組織型よりも治療成績がよいことが確認された。治療法として局所治療、特に30Gy程度程度の低線量の放射線治療が効果的なことが実証された。 胃MALTリンパ腫ではH.Pylori菌の陰性例や除菌治療に効果が不十分な例に放射線単独治療(30Gy-40Gy)を行う多施設共同研究を行った。平成17年3月までに登録され、放射線治療が行われた胃MALTリンパ腫は79例であるが、全例がプロトコール通りに途中休止の必要なく治療が可能であった。さらに、全例で完全寛解が得られ、経過観察中に局所再燃した症例なく生存中であることがわかった。臨床的に問題となる副作用や合併症の報告はない。なお、特筆すべきは76歳以上の12例(最年長90歳を含む)の高齢者にもプロトコールの変更の必要なく治療が可能であったことである。 以上の研究をまとめると、MALTリンパ腫は全身化の可能性があるものの、良性の経過をとるリンパ腫である。超高齢化社会においてMALTリンパ腫は局所治療、特に低線量の放射線治療が有効であり、大きな副作用や合併症なく治療が可能であると考えられる。
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