研究課題/領域番号 |
14370289
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
大川 匡子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80160430)
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研究分担者 |
海老澤 尚 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00201369)
裏出 良博 大阪バイオサイエンス研究所, 第二研究部, 部長 (10201360)
柴田 重信 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10162629)
山田 尚登 北島津病院, 副院長 (50166724)
内山 真 国立精神・神経センター, 精神生理部, 部長 (20221111)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2003年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2002年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 時計遺伝子 / 概日リズム / 気分障害 / プロスタグランディン / オレキシン / アデノシン / 睡眠 / メラトニン / 催眠 |
研究概要 |
生物時計の異常と関連した各種疾患の病態解明の課題について:内山は睡眠相後退症状について、高照度光照射を行うことにより睡眠や体温、メラトニンの位相の変化を観察し睡眠相が容易に移動することを見出した。山田は気分障害患者に午前中に高照度光を照射することにより夜間の睡眠障害が改善することを見出した。 海老澤は睡眠相後退症候群(DSPS)、非24時間睡眠覚醒症候群(N-24)の発症を押さえるミスセンス多型を発見していたが、今年度はその機能解析を行った。その結果リン酸化酵素活性の上昇が、概日リズム障害発症に対し抑制的作用を生起させると考えられた。さらにヒトメラトニン受容体を持続的に発現する培養細胞株を樹立した。今後、この多型が細胞内刺激伝達に及ぼす変化を調べる研究を進める予定である。柴田は感情障害と体内時計の異常の関連性について感情調整薬として使われているリチウムの体内時計システムに対する作用について検索した。リチウムの周期延長作用は視交差上核のGSK-3の活性低下に基づくことが判明した。さらにオレキシン含有細胞ノックアウトの給餌性リズムに対する作用を検索した。まず正常動物に給餌制限をおこなうと、オレキシンとFosタンパクの両方を発現する細胞の数が夜間ピークであったものが、給餌制限に伴い位相前進することが分かった。また、このミュータントマウスでは給餌性リズム形成が悪いことから、オレキシンがこのリズム形成に関わっていることが明らかとなった。裏出は内因性睡眠物質であるプロスタグランジン(PG)D_2の産生を担うリポカリン型PGD合成酵素の、くも膜での遺伝子発現の調節機構を解析した。PGD_2による睡眠誘発はアデノシンにより仲介されると考えた。アデノシンA_1およびA_<2A>受容体に特異的な作動薬とA_<2A>受容体遺伝子欠損マウスを用いて、アデノシンによる睡眠誘発情報はA_<2A>受容体を介して伝達されることを証明した。
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