研究課題
基盤研究(B)
平成14年度:DLBの視覚認知障害について、幻視の他に錯視・人物誤認・実体的意識性・カプグラ症候群などが特徴的で、これが黒質-扁桃核路障害によるドパミン過感受性の結果起こる扁桃核-視覚野の機能異常によると解釈した。画像では、MRIで側頭葉内側の軽〜中等度萎縮が、SPECTで側頭・頭頂・後頭領域の血流低下がみられたが、DLBで特異的といわれる後頭葉の血流低下は半数あまりであることを強調した。病理学的には、α-synucleinなどの免疫染色によりDLBのLewy pathologyを4stageに分類し、扁桃核-辺縁系-新皮質の順にLewy pathologyが進展し、AD病変合併例ではstage3・4を示すことを示した。海馬のLewy小体とNFTの好発部位が異なり、Lewy小体はCA3-4に、NFTはCA2に始まり、支脚-CA1に進展すること、DLBでは神経細胞のみならずグリアにもしばしばtau沈着があり、NFTやpretangleは3&4 repeat tau、tuft-shaped astrocyte、astrocytic plaque、coiled bodyは4 repeat tauからなることを示した。平成15年度:10年間の剖検例の検討で、DLBは全痴呆例の18%で、AD(43%)、血管性痴呆(23%)に次いで多く、後半5年間では血管性痴呆の頻度が低下し、今後はさらに低下しDLBが二番目に多い痴呆症となることが示唆された。DLBの自律神経症状を検討し、DLBでも自律神経症状がパーキンソン病と同様に出現しやすいことを示した。DLBではADより脳内acetylcholineが低下しており、donepezilの効果を検討し、幻視などの精神症状に効果があることを示した。病理学的には、Lewy小体の成長・消失過程を免疫組織学的方法により再確認し、Lewy小体と神経細胞死との密接な関連を強調した。DLB脳では神経細胞のRNA oxidationが目立ち、サイトカインやmetric oxide synthaseの発現を明らかにした。また、DLBの大脳皮質や海馬領域ではTH陽性神経細胞が変性しやすいことを示した。平成16年度:DLBとADの臨床鑑別を示した。また、痴呆を伴うパーキンソン病(PDD)でCDLBガイドラインのone-year ruleを検討し、パーキンソン症状から痴呆出現までの期間は、一年以内が2例にすぎず、PDDの病理診断はすべてDLBであることを示した。免疫染色の検討で、DLBとADとの異同についてLewy pathologyとAD pathologyを検討し、両者は明らかに異なることを示した。
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