研究課題
基盤研究(B)
1.TELによる造血制御機構の解析(1)マウス赤白血病細胞株MELに野生型TELを遺伝子導入し、TELには化学誘導剤による赤芽球分化を促進する機能があることを証明した。より生理的な条件で追試する目的でTELをヒト白血病細胞株UT7/GMに遺伝子導入した。TELはEPOによる赤芽球分化を促進し、TPOによる巨核球の分化を抑制した。以上の結果より、TELには赤芽球/巨核球共通前駆細胞において、分化の方向性を決定する役割がある可能性が示唆された。(2)TELの機能制御機構についても検討した。TELはERKによりリン酸化され、その転写抑制機能を失うとともに、細胞増殖の抑制機能も失った。さらに、高リン酸化型TELは低リン酸化型TELに対してドミナント・ネガティブに作用した。また、TELには多数のアイソフォームが存在することが明らかになった。ΔHLH型およびΔETS型は野生型TELとしての機能を失い、かつ、野生型TELに対してドミナント・ネガティブ効果を発揮した。2.TELによる白血病発症機構の解析(1)小児pre-B細胞急性リンパ性白血病で観察されるt(12;21)で形成されるTEL/AML1はHLHドメインを介するヘテロダイマーの形成により、野生型TELの分子生物学的・細胞生物学的機能をドミナント・ネガティブに抑制することを証明した。(2)急性骨髄性白血病で観察されるinv(12)より新規TEL/PTPRRキメラ遺伝子をクローニングした。PTPRRは受容体型ホスファターゼである。TEL/PTPRRは野生型TELの核移行とDNA結合を阻害し、その転写抑制能に対してドミナント・ネガティブに作用した。ホスファターゼ活性は示さなかった。TEL/PTPRRはヒト白血病細胞株UT7/GMにGM-CSF非依存性の増殖をもたらした。TEL/PTPRR発現細胞ではGM-CSF除去後もSTAT3のリン酸化が維持されていることが明らかになった。
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