研究課題/領域番号 |
14370325
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大磯 ユタカ 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40203707)
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研究分担者 |
尾崎 信暁 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70378082)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 家族性中枢性尿崩症 / バゾプレシン / ノックインマウス / 視床下部 / 器官培養 / 遺伝子変異 / 細胞内輸送障害 / 神経細胞死 / ニューロフィジン / パゾプレシン |
研究概要 |
家族性中枢性尿崩症(FDI)の発症機構を明らかにする目的で、報告されている約50家系において認められている各々異なったバゾプレシン(AVP)遺伝子変異の中から、ニューロフィジン(NP)領域の変異(Cys67stop)を選択し、その変異遺伝子を導入したノックインマウスをジーンターゲッティング法により作製した。また、視床下部器官培養法を用い、室傍核におけるAVP遺伝子発現機構を詳細に検討する実験系を確立し、in vitroにおけるAVP遺伝子発現解析を可能とした。ノックインマウス作製に関しては、キメラマウスをサザンブロッティング法によりノックインアレルが標的部位に挿入されたことを確認後、野生型マウスと交配させ、F1ヘテロ変異体同士を交配させ、F2マウスの遺伝子解析を行ったところ、産子数はホモ:ヘテロ:野生型の比率がメンデルの法則通り概ね1:2:1の割合で得られた。生後、経時的に尿量、尿浸透圧、下垂体AVP含有量を測定し、免疫組織化学法によりAVP産生核および軸策における正常および変異NPの発現について検討を行い、さらにAVPmRNAの発現レベルを観察した。ホモ変異体は生後早期に死亡したため、解析はヘテロ変異体を用い検討した。生後経時的に尿量は増加、尿浸透圧・下垂体AVP含有量は低下し、正常および変異NPの軸索染色の減少を認めた。AVPmRNAの発現レベルは生後3ヶ月より低下した。以上の点から、多尿の発症段階に異常AVP前駆体蛋白によるドミナントネガティブ効果あるいはAVPmRNA発現レベルの低下等の関与が明らかとなった。これらの事実は、FDIの病態形成に関し、少なくとも発症初期には細胞死は存在しない可能性が示された。本モデルはFDIの発症機構を解明する上で有用であり、今後経年動物を解析することにより、最終的に細胞死を含め神経変性がどのような機転でプロセスするかが明らかとなり、神経内分泌疾患のみならず神経変性疾患の発症メカニズムの解析に有用であると考えられた。
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