研究課題/領域番号 |
14370339
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10253733)
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研究分担者 |
西川 武志 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (70336212)
榊田 典治 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50170577)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2003年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2002年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 小胞体ストレス / アポトーシス / 糖尿病 / CHOP / Akitaマウス / OLETFラット / 膵β細胞 / MIN6 |
研究概要 |
本研究により小胞体ストレス応答による膵β細胞アポトーシス機序の解析、ならびに2型糖尿病モデル動物における小胞体ストレス機序の解析において以下の知見を明らかにした。 1.β細胞アポトーシス機序の解析 小胞体ストレスで誘導されアポトーシスを起こす転写因子CHOPを遺伝的に破壊したマウスと小胞体ストレスにより糖尿病を起こすマウスであるAkitaマウス(Ins2遺伝子にC96Y変異を有する)を交配することにより、C96Y変異に関して野生型、ヘテロ変異、ホモ変異のいずれかの遣伝子型を有し、CHOP遺伝子に関しても野生型、ヘテロ欠損、ホモ欠損のいずれかの遺伝子型を有するマウスを作製した。C96Y変異をホモに有するマウスではCHOPを欠損しても糖尿病は発症したが、C96Y変異をヘテロに有するマウスではCHOPを欠損することにより糖尿病発症が遅延した。また、膵β細胞株のMIN6細胞にC96Y変異を発現させると、発現細胞はCHOPを介したアポトーシスを起こした。このことより、小胞体ストレスが膵β細胞におけるアポトーシスを個体と細胞レベルの両方において誘導し、個体レベルではこのアポトーシス経路の阻害により糖尿病発症が抑制されることを明らかにした。 2.2型糖尿病モデル動物における小胞体ストレス機序の解析結果 2型糖尿病モデルラットであるOLETFラットとその対象群であるLETOラットにおける膵β細胞での小胞体ストレスの有無を検討した。週齢とともに、OLETFはLETOに比べて体重、血糖、血漿インスリン濃度は有意に12週齢以降上昇し、膵β細胞におけるインスリン、Bip、CHOP mRNAの発現はOLETFでLETOより高かった。このことより、OLETFの糖尿病発症機序の病因に小胞体ストレス経路が関与している可能性を示し得た。
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