配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
(1)肝虚血再潅流障害が肝移植における術後肝機能障害の要因であることが知られているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、肝虚血再潅流障害におけるcytokine, chemokine,接着分子および浸潤細胞について検討し、さらに、free radical scavengerである MCI-186がそれらに与える影響について検討した。その結果、肝虚血再潅流障害でCINC-1,MIP-1 alpha,MIP-2,MCP-1,ICAM-1が高発現し、マクロファージ、好中球浸潤を認めた。またMCI-186投与によってこれらが軽減され、血液学的および組織学的な肝障害も有意に改善した。以上から、MCI-186の肝移植臨床応用の有用性が示唆され報告した。 (2)劇症肝炎の病態はなお不明な点が多い。アポトーシスの関与が示唆されているものの臨床例での証明がなされておらず、また担当細胞も明らかでない。本研究では、劇症肝炎症例の摘出肝で、Fas-L,IFN-gamma,IL-18,MIP-1 beta,RANTESの高発現を認めること、ならびに、Fas-Fas-Lを介したアポトーシスの担当細胞がリンパ球ではなくマクロファージであることを最初に確認して報告した。 (3)ES細胞を用いた肝細胞作成の研究は、従来、すでに分化の進んだsingle lineageを用いて行われてきた。本研究では、発生における臓器相関をより明らかにするために、mesodermal cell lineageを用い、肝への分化だけでなく、心臓にも分化しうるES細胞を用いたembryoid bodyを作成することに成功し、検討を行った。その結果、拍動する心筋細胞の存在下で、肝細胞が類洞を形成しながらより効率的に分化していくことを初めて確認した。今後の人工肝システムの作成に寄与しうる知見と考えられ報告した。
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