研究分担者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117471)
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
秋山 伸一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117413)
高尾 尊身 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (80171411)
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研究概要 |
1)ヒト肝細胞癌(HCC)42例の凍結標本を用いて,IL-8の発現の生物学的・臨床的意義について検討した.RT-PCR法により,32例のHCC組織中にIL-8 mRNAの発現を確認した.IL-8は癌組織内では,血管新生に関与することが指摘されてきたが,CD34免疫染色で確認した癌組織腫瘍血管の増生程度とIL-8発現の明らかな関わりはみられなかった.一方,IL-8陽性群は,陰性群よりも,明らかに血管浸潤頻度が高く,さらにTNM Stageの進行したものが多かった.したがって,HCC内のIL-8発現は,腫瘍細胞のtransmigrationなどに関与し,より悪性化を進めることが示唆された. 2)Diethylnitrosamine(DEN)を用いたラット肝発癌モデルにおいて,肝組織過酸化脂質の上昇(ROSの増加)とNF-κBの活性化,iNOSの増加がみられ,さらにDEN投与17週目の肝重量,癌部体積は増大した.これに対し,抗血管新生薬(TNP470)や14環系マクロライド抗生剤のロキシスロマイシン(RXM)の投与(10-17w)は,これを有意に抑制した. 3)ヌードマウスを用いたDorsal bag model実験で、RXMは,ヒト肝癌細胞の血管新生も制御することを確認した.この時、RXM100mg/kgは、TNP470 50mg/kgの抑制効果に相当した。
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