研究課題/領域番号 |
14370365
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川口 章 東海大学, 医学部, 助教授 (30195052)
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研究分担者 |
木勢 佳史 東海大学, 医学部, 助手 (00276825)
田邉 晃久 東海大学, 医学部, 教授 (10119688)
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 教授 (20208408)
桑平 一郎 東海大学, 医学部, 助教授 (60186567)
村山 千恵子 東海大学, 医学部, 講師 (50307295)
猪口 貞樹 東海大学, 医学部, 教授 (60160008)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 人工赤血球 / 人工酸素運搬体 / ヘモグロビン / 心筋梗塞 / 脳梗塞 / 放射線治療 / 腹部臓器虚血 / 悪性腫瘍 / radiotherapy |
研究概要 |
高酸素親和性(hNRC,P_<50>=10mmHg)と低酸素親和性(NRC,P_<50>=50mmHg)のリポゾーム封入ヘモグロビンと空リポゾームを試作して以下の実験を行った。 脳梗塞 ラットにて脳梗塞作成前後に体重当たり1%のhNRCを投与すると、5分前に投与したものも5分後に投与したものも、24時間後に無投与対照群に比べて、大脳皮質、海馬、線条体で有意にMRI画像での脳浮腫の程度が有意に抑制された。ラットでの光凝固法(PIT)モデルにおいても、24時間後のTTC染色で判別する脳梗塞領域が有意に縮小した。これらの結果を受け、サルにおける急性脳虚血・再還流モデルにおいてPETで観察すると、酸素親和性の高低に関わらずNRCの脳保護効果が明らかに認められた。 心筋梗塞 心筋梗塞作成前に体重当たり1%のhNRCをラットに投与した場合、左室収縮末期容積が増加し一回拍出量は減少するものの、無投与対照群に比べて左室収縮末期容積が小さく保たれ、一回拍出量は有意に大きく維持された。この結果を受けて、イヌ虚血心筋における不整脈誘導モデルで心室細動の誘導閾値・除細動閾値を検討したところ、hNRCは虚血心の不整脈抑制に有効であった。 放射線治療 担がんマウスに放射線照射するにあたって、照射30分前に体重当たり0.5%、1%、2%のhNRCを投与したところ、1%が最も強く照射後の腫瘍の成長を抑制した。投与と照射との間隔を30、60、90、120分と変化させたところ、最短の30分が最も癌成長抑制効果が強かった。腫瘍代謝に与える影響を放射性同位元素を用いて検討している。 腹部臓器虚血 体重当たり1%のhNRCを術前投与してラット胃吻合部の治癒過程を検討したところ、2日後には同種血輸血群に比べて腸管吻合部の破裂圧が有意に高いが、4日後にはこの差が消失した。これはhNRCによる酸素供給によって腸管の治癒が促進された結果と考えられる。
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