研究課題/領域番号 |
14370367
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 国立成育医療センター(研究所) |
研究代表者 |
梨井 康 国立成育医療センター研究所, 移植・外科研究部, 室長 (60321890)
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研究分担者 |
舟島 直子 国立成育医療センター研究所, 共同研究管理室, 流動研究員 (60399483)
上本 伸二 三重大学, 医学部・第一外科講座, 教授 (40252449)
鈴木 英年 浜松医科大学, 第一外科講座, 研究生 (70242758)
藤野 真之 国立感染症研究所, エイズ研究センター・第二研究グループ, 研究員 (50392329)
SUZUKI H. Hamamatus University School of Medicine, Dept.of Surgery, Asst.Professor
鈴木 盛一 国立成育医療センター研究所, 移植・外科研究部, 部長 (00111386)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 生体肝移植 / 免疫寛容 / 補助シグナル / 遺伝子 / 移植免疫 / DNAチップ / 臓器移植 / allograft / isograft |
研究概要 |
本研究では、(1)臓器移植免疫寛容動物の作製・解析およびDNAチップによる既知遺伝子の解析:同種異系ラット肝移植免疫寛容ラットにおいて末梢血のリンパ球を分離し、CD4+、CD25+細胞集団がNaiveのラットより有意に増加していることを明らかにした。一方、免疫寛容動物から得られたリンパ球の養子移植実験を行い、免疫調節機能を持つリンパ球の存在を確認することができた。このリンパ球集団のRNAを分離し、Affymetrix社のgene chipを用い、isograftのそれと比較したところ、464個の有意に変化した遺伝子を見いだした。その中から統計学的な処理(t-test)を行い、211個(p<0.05)の候補遺伝子を見つけた。(2)臨床生体肝移植後免疫抑制剤離脱症例の解析:京都、三重大学医学部附属病院において免疫寛容状態に至った11人の患者、家族および健常人から遺伝子検査を含めたインフォームドコンセントを得た上、血液を採集した。末梢血リンパ球より、それぞれtotal RNAを抽出し、Agilent社のcDNAマイクロアレイを用いて解析を行った。分類したカテゴリーのうち「Immunity」のみで、圧倒的にDown数よりUp数のほうが多いという結果を得た。これは、免疫関連の遺伝子が、健常人より免疫寛容状態の人において発現が相対的に上昇しているという事を端的に表しており、能動的作用を以て免疫寛容を誘導する遺伝子の確かな存在を示唆すると考えられた。(3)補助シグナル経路を選択的の阻害に関する解析:上記DNAチップの解析より、リンパ球の活性化に関与する事が知られているco-stimulatory分子群に属する遺伝子が、今まで考えられていた以上に深く関与する事が明らかになった。そこで、抗ICOS抗体及びCTLA4Igを用いて、T細胞増殖に必要不可欠な副刺激シグナルを遮断する事で、ラットの心臓移植において安定かつ強固な免疫寛容が誘導される事を確認した。CTLA4Igと抗ICOS抗体を併用する事し、CD28-CTLA4/B7経路を介した抗原提示細胞の活性を抑制することにより、安定な免疫寛容状態の誘導および維持ができた。また、寛容ラットの末梢リンパ球を養子移植すると、別の個体に免疫寛容を誘導出来る事を明らかにした。
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