配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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研究概要 |
東北大学附属医用細胞資源センターで維持している消化器を含む各臓器由来の培養癌細胞株49種よりtotal RNA及び蛋白質を抽出し、Northern blot法、Western blot法、免疫染色法を施行し、REG遺伝子、REG蛋白及びREG蛋白受容体の発現の有無を定性的に検討したところ、大腸癌由来のSW948,SW1417,COLO205,HCT15、胃癌由来のKATO III, MKN28(MKN74),AGS、食道癌由来のTE8,TE12,TE13などにREG遺伝子、REG蛋白及びREG蛋白受容体が発現していることを見出した。さらに、REG遺伝子の発現をRT-PCR法で検討する過程で、新たなヒトREG遺伝子REG IIIを見出し、その遺伝子とmRNAの全構造、染色体上の位置、組織別発現パターンを明らかにし、ヒトREG遺伝子ファミリーが全体で5つの遺伝子、REG I alpha, REG I beta, REG III, HIP/PAP, REG IVから構成されることを明らかにした。 次に、ヒト肝臓癌・膵癌・胆道癌・胃癌・大腸癌等の消化器癌標本において、各種癌組織でのREG遺伝子、REG蛋白及びREG蛋白受容体の発現の有無を定性的に検討し、さらにrealtime Taqman RT-PCR法によりその発現の定量化を行う目的で、東北大学倫理委員会の承認を受け(承認番号2001-002)、東北大学病院肝胆膵外科・胃腸外科で同意書の得られた肝臓癌・膵癌・胆道癌・胃癌・大腸癌症例をそれぞれ約100症例収集し、この全検体よりtotal RNAの抽出及び組織切片の作成を終了した。また、臨床病理学的項目とREG遺伝子、REG蛋白及びREG蛋白受容体の発現の有無・発現量の結果との相関関係を検討する目的で、現在までに入手し得た各臨床検体について、組織型、腫瘍マーカー、進展度、脈管浸襲、リンパ節転移、再発形式、予後に関しての詳細なデータベースが完成した。 さらにヒトREG遺伝子ファミリーが全体で5つの遺伝子、REG I alpha、REG I beta、REG III、HIP/PAP、REG IVから構成されるという知見に基づき、5つのREG蛋白質を識別する特異的アミノ酸配列を解析・合成し、各REG蛋白質ごとにモノクローナル抗体を作製した。得られた18クローンのモノクローナル抗体はWestern blot法で各REG蛋白質を特異的に認識することが確かめられた。現在これらモノクローナル抗体を使用し免疫染色にてREG蛋白質の発現を検討している。
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