配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
研究概要 |
抗ブタNK抗体作成のため,ブタリンパ球そのものやリンパ球の膜タンパクをマウス,ラットに免疫し抗体産生細胞をいくつかクローンニングし,それらの細胞から産生される抗体を蛍光色素で標識し染色を行ってみたが,すべて非特異的に染色され、ブタNK細胞を同定できるような抗体は作成できなかった。また,ブタリンパ球からNK細胞と思われる細胞を抽出し同様のことを試みたが,抗体を作成するに至らなかった。同時に進めていたブタ小腸移植は,手技的に安定し,実験当初の手術直後死はなくなり,数日間生存させることができるようになった。そこで,NKT細胞を活性化させるといわれているα-GalCerを投与し小腸移植後の生存期間が延長するかどうかを検討したが、投与できた数が少なく生存期間を比較することはできなかった。この間のNKT細胞の動態については,ブタ抗NK抗体を作成することができなかったため,観察することは不可能であった。今回の研究では,ブタにおいてα-GalCerがNKT細胞を活性化したかどうかは明らかにできなかった,これらの結果がNKT細胞がブタ小腸移植後において免疫寛容を誘導するという仮説を否定するものではない。小腸移植を必要とするヒトがたくさん存在する一方,強い拒絶反応により小腸移植の成績はいまだ改善されていないのが現状である。ヒト肝移植において、肝移植の免疫寛容には肝NKT細胞が関与していることを見出しており,小腸移植でもその可能性はあると考える。今後は本研究の成果を踏まえ,α-GalCerの投与方法の研究、手技的には難しいが,NKT細胞の同定が容易なマウスの小腸移植でのNKT細胞と免疫寛容の関係を研究することを検討している。
|