研究課題/領域番号 |
14370400
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田林 晄一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90142942)
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研究分担者 |
宮崎 純一 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10200156)
井口 篤志 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90222851)
新田 能郎 東北大学, 病院・助手 (80375005)
遠藤 雅人 東北大学, 大学病院, 講師 (90282128)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脊髄保護 / 胸部大動脈瘤 / 遺伝子治療 / 対麻痺 / ORP150 / CAG promoter / アデノウィルスベクター / リポフェクション / eNOS / 遺伝子導入 / 虚血再潅流障害 / 脊髄虚血 / 精髄保護 / spinal cord injury / lipofection / naked DNA / denovival vector / spinal code injury / adenoviral vector |
研究概要 |
胸部大動脈瘤手術後の対麻痺発症率は3-15%と依然高く、この合併症は患者の生活の質に大きく影響を及ぼすだけに防止策の確立は急務である。oxygen-regulated protein 150kD(ORP150)は、低酸素ストレスによる神経細胞死を抑えることが報告されている。本研究は、脊髄神経細胞にORP150遺伝子を導入発現させることで、耐虚血性を高め、対麻痺発生頻度を低下し得るか、明らかにすることを目的とした。 ORP150 cDNAの合成をラットの脳組織からのRT-PCR法によって行い、これを組み込んだORP150発現プラスミドを作製し、これをリポフェクション法で培養細胞に導入し、Western blotting法でORP150遺伝子のタンパク発現を確認した。ウサギ脊髄にin vivoで遺伝子導入する効率をリポーター遺伝子(LacZ)発現プラスミドのリポフェクションで確認したところ、LacZの発現は確認できず、その改善は今後の課題となった。リポフェクトアミン脊髄注入後の対麻痺スコアは、sham群と比較し低下しており、この手法は脊髄に対し侵襲的と考えられた。遺伝子導入効率を上昇させる目的で、ORP150発現アデノウィルスベクターをCosmidとCre-loxPを用いて作製した。しかし実験に必要な数を大量複製することができなかつた。CAGプロモーターは、多くの細胞内で非常に高い活性を有することから、過剰に産生されたORP150が293細胞に毒性をもたらした可能性は否定できない。活性の低いプロモーターに置き換えることで、大量複製可能となる可能性があり、更なる課題が残った。脳神経細胞において、適度なレベルでのORP150発現が神経細胞の虚血耐性を高めることが報告されているが、外科手術に遺伝子治療を併用することで対麻痺の発症頻度を下げるという戦略を実現して行く上で、遺伝子導入方法のみならず、発現レベルの調整が重要であることが示唆された。
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