研究課題/領域番号 |
14370412
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263247)
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研究分担者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243220)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
宮川 周士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90273648)
高野 弘志 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70346196)
宮本 裕治 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80229898)
市川 肇 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60303939)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2002年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 異種心臓移植 / アカゲザル / 遺伝子導入ブタ / 超急性拒絶反応 / DAF / 抗体吸着 / 異種移植 / ブタ / 遺伝導入 / 補体制御因子 / decay accelerating factor / 臓器灌流 / 心臓移植 / 遺伝子導入 / decay acclerating factor / N-acetylglucosamiltransferase |
研究概要 |
ブタからヒヒへの異種移植間では、ヒヒのブタに対する抗体に加えて、抗体・抗原反応の最終的な細胞障害を引き起こす補体系が超急性拒絶反応の重要な働きをしていることが報告されている。そこで、ヒトの補体制御因子Decay accelerating facotor(DAF)を遺伝子導入したブタの心臓を用い、同所性移植し、ブタ心臓の生着延長を試みる実験を施行した。 対象と方法: 7頭のアカゲザル(3.1〜6.1Kg)に人工心肺下に同所性にブタの心臓を移植した。2頭はtransgenicブタのF1(対照群:5.3、7.4kg))の、5頭はDAFブタ(DAF群:10.1、11.8Kg))の心臓を同所性移植した。最後の3頭はDAFブタの心(2頭)又は肺(1頭)で前潅流して、抗体吸着を行った。シクロスポリン15mg/Kg/day、ミコフェノール酸モフェティル50mg/Kg/dayを麻酔開始時に胃管から、人工心肺開始直前と大動脈遮断直前にソルメドロール125mgを静脈内に投与した。 結果: 対照群の心臓は大動脈遮断解除後21分と132分に超急性的に拒絶され心停止した。前者は体外循環からも離脱できなかった。DAF群は体外循環をカテコラミンを使用せずに離脱し、閉胸できたが、大動脈遮断解除310分、211分後に心停止した。DAFブタの心又は肺で潅流した群では、体外循環をカテコラミンを使用せずに離脱し、閉胸できたが、各々大動脈遮断解除135分、104分と305分に心停止した。 摘出心は組織学的にはいずれも超急性拒絶反応の像を呈し、IgG、IgM、C3、C4が血管及び心筋に沈着していた。特に潅流した心臓でのIgG、IgM、C3、C4の沈着は著明であった。 結語: DAFブタでは生着期間を延長する事はできたが、DAF心で灌流を行うと却って短縮された。 DAFブタは対照群に比して、HE染色でのHARの程度、IgG,M,C3,C4の血管への沈着が軽度であったが、DAF心で灌流を行うと却ってその組織学的変化は増強していた。今回使用したDAFブタはhetero体であり、HARを抑制するためにはhomo体を用いる必要があると考えられた。
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