研究課題/領域番号 |
14370430
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (50220835)
|
研究分担者 |
吉田 純 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40158449)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2002年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
|
キーワード | 温熱療法 / マグネタイト / 脳腫瘍 / リポソーム / 免疫誘導 / ヒートショックタンパク / 誘導磁場 |
研究概要 |
磁性微粒子マグネタイトを用いた特異的画像診断、及び細胞内加温による温熱療法の研究成果を纏めた。我々は磁性酸化鉄超微粒子であるマグネタイト(Fe_3O_4)に着目し、これを正電荷リポソームに包埋することで、生体への安全性を高めると共に、腫瘍細胞への集積性を向上させることで、脳腫瘍の機能的MRI造影剤を開発し、その有用性につき検討してきた。また交番磁場照射によるヒステレシス損失による発熱効果を利用した細胞内温熱療法とそれに伴う免疫誘導に着目し検討して来た。脂質膜リポソーム包埋により組織への吸着性を向上させたマグタイト(magnetite cationic liposome(MCL))はMRI上顕著な画像描出を増強し得、脳腫瘍の画像診断の造影剤としての可能性を持っている。一方、細胞内人の導入効率の高いMCLを用いて高周波磁場処理することによりMCL注入腫瘍は著明な温度上昇を認め温熱療法へり応用の可能性を示唆した。さらに、この磁場処理を繰り返し施行することにより、in vivoにて移植腫瘍の完全退縮や移植ラットの生存期間の有為な延長を認めた。この温熱療法の作用は直接的抗腫瘍効果と共に生体免疫系の活性化による抗腫瘍免疫賦活効果が誘導されていることも確認されている。磁場処理後24時間経過した腫瘍組織内の免疫組織染色による経時的変化を観察すると、壊死組織周辺にIISP70が帯状に強く発現しており、その部分にはMHC class Iの発動増強を認めた。腫瘍周囲のリンパ球の多くはCD8+Tcell subclassであり、本治療法の免疫誘導がT cell優位の誘導をしている可能性が示唆された。本療法は今後の新たな治療手法の確立として期待される。
|