研究課題/領域番号 |
14370440
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
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研究分担者 |
佐々木 勝則 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60336394)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90285007)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2002年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 標的化 / 変異型アデノウイルスベクター / 浸潤 / モノクローン抗体 / ファイバー / 癌治療 / 間葉系幹細胞 / RGDモチーフ |
研究概要 |
本研究では、難治性の悪性脳腫瘍に対する効果的な治療法め開発を目的として、A)脳腫瘍を標的化できる新しい変異型ウイルスベクターの開発、ならびに、B)脳神経組織標的性の高い細胞の移入療法の開発を中心に、脳腫瘍の特異的な標的化を目指した細胞・遺伝子治療の基礎研究ならびに実用化研究を行っている。 間葉系幹細胞(MSC、mesenchymal stem cell)を用いたラット脳腫瘍モデルの遺伝子治療:ラット大腿骨骨髄から初代培養MSCを調製した。Fischer344ラット脳内に、DsRed標識9Lグリオーマ細胞を移植し、1週間後に遺伝子導入MSCを移植し、経過を追った。MSCは腫瘍全体に拡がり、特に正常脳組織と腫瘍の境界部に多く分布していた。9L脳腫瘍をhIL2遺伝子導入MSCで治療すると、著明な延命効果が得られた。浸潤性の悪性神経膠腫に対する遺伝子治療のベクター細胞としてMSCが有望である。 一方、グリオーマでは、Advの受容体CARの発現が低く、従来型のベクターでは遺伝子導入効率が非常に低い。Ad5の受容体CARと結合しないAd40の短いファイバー(F40S)を有するファイバー変異型アデノウイルスをベースとして用い、脳腫瘍選択的な遺伝子導入システムの構築を目指した。ヘパランスルフェートを標的としたK7(lysine7個のストレッチ)モチーフをファイバーに含むF40S-K7変異型ウイルスを用いると、F/wtに比較して悪性神経膠腫に対して数十倍高い遺伝子導入効率が得られた。脳腫瘍に対する選択的標的化の候補分子を探索するために、抗体のFcドメインに結合するProtein AのZ33モチーフをHIループに含むAdv-FZ33アデノウイルスを作成した。今後、このシステムを用いて、脳腫瘍細胞に対して選択的標的化の可能な表面分子と抗体の組み合わせを探索してゆく。
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