研究課題/領域番号 |
14370452
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
|
研究分担者 |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (30344451)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
村上 元昭 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50396751)
原 由紀則 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (30396741)
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60276607)
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
|
キーワード | プロスタグランジン / 骨 / 骨吸収 / ノックアウトマウス / 関節炎 / 骨粗鬆症 / 骨折治癒 / 変形性関節症 / プロスタグラジン / 破骨細胞 / 炎症 / 疼痛 / サイクロオキシグナーゼ / サイクロオキシナーゼ |
研究概要 |
COX-2と機能的に連関し炎症等の刺激により誘導されてくるPGE_2合成酵素mPGES-1の骨代謝への関与を検討した。マウス初代骨芽細胞培養系において、mPGES-1の発現はIL-1αなどの骨吸収性サイトカインによってCOX-2とともに促進された。mPGES-1アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養骨芽細胞に導入してその発現を抑制すると骨吸収性サイトカインによるPGE_2産生、共存培養系での破骨細胞形成の著明な抑制が見られた。続いてmPGES-1KOマウスの解析を行ったところ、発生・成長・繁殖とも正常で、骨組織もWTマウスと有意な差はなかった。そこで、様々な病的負荷モデルを作成した。酢酸腹腔内投与による疼痛刺激、木綿糸背部皮下移植後の肉芽形成などの病的刺激に対してはWTに比し反応性の低下が見られた。さらにコラーゲン抗体カクテル投与による関節炎モデルでは、KOでの関節炎スコアがWTの半分程度に減少し、組織学的に関節破壊も著明に抑制され、膝関節周囲の骨密度の減少率もKOでは抑制された。脛骨骨折モデルでは、術後3週で全例骨癒合したWTに対し、KOでは仮骨形成が乏しく、3週時点で半数が治癒しなかった。それは、軟骨細胞の増殖が抑制されたためと考えられた。骨粗鬆症モデルとして、卵巣摘出モデルおよび尾部懸垂モデルを作成したが、骨密度の減少率に有意な差はなかった。変形性膝関節症モデルでは、関節軟骨の変性にWTとKOで有意な差はなかった。 以上より、mPGES-1は炎症性骨吸収、骨折治癒に重要な働きをすることが明らかとなった。mPGES-1欠損による生理的な影響は殆どないことより、mPGES-1阻害剤は従来のNSAIDsやCOX-2阻害剤に比べてより特異性が高く副作用の少ない消炎鎮痛剤・炎症性骨吸収抑制剤としても期待できる一方で、骨折患者への投与は慎重を要すると考えられた。
|