研究課題/領域番号 |
14370453
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武藤 芳照 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10143330)
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研究分担者 |
山本 義春 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60251427)
多賀 厳太郎 東京大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (00272477)
高杉 紳一郎 九州大学, 医学部附属病院リハビリテーション部, 講師 (40253447)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 転倒予防 / 老人骨折 / 介護 / 運動処方 / 健脚度 |
研究概要 |
地域在宅高齢者の転倒・骨折の病態、特に内的因子について分析し、そのための運動プログラムの妥当性、効果、問題点を明らかにするために、東京厚生年金病院「転倒予防教室」の参加者を対象とした検討(研究I)と韓国の高齢者を対象として検討(研究II)を実施し、次のような研究成果が得られた。 [研究I](1)健脚度、大腿骨頚部骨密度、転倒発生状況、転倒恐怖、転倒予防自己効力感等の測定・分析から、「健脚度」は、これまで示してきた転倒回避能力の指標としてだけでなく、転倒・骨折のリスク、転倒恐怖の指標としても有用であること。(2)「転倒予防教室」を修了し、聞き取り調査が可能であった者(n=244)では、入室前1年間に比べ、修了後1年間では、転倒率(33%から18%に)、骨折発生率(11%から4%に)ともに低減しており、「教室」での運動・生活指導が有効であること。(3)「教室」初回メディカルチェックの際に実施した服薬調査では(n=297)、1人当たりの使用薬剤数は4.23品目あり、最大16品目であった。高齢者への運動・生活指導に際して、重複疾患の加療が行われていることを考慮すると共に、服薬数とその種類について注意を払うべきこと。(4)運動を前提とした内科的、整形外科的メディカルチェックにより、各種内科的疾患(重症糖尿病、狭心症、脊髄小脳変性症、多発性脳梗塞等)や、整形外科的疾患(重度変形性股及び膝関節症、脊柱管狭窄症等)が発見された。その割合は健診を受けた高齢者の約5%と、通常のスポーツ選手のメディカルチェックの割合よりもはるかに高いことから、高齢者の「転倒予防教室」の事前健診は必須であること。 [研究II]韓国の骨粗鬆症(WHO基準)65名を対象として、ランダム化比較試験、前向き研究により、運動介入(10ヶ月間の複合的運動プログラム対照群:歌、書道、ゲーム等)の効果を検討した。その結果、転倒回避能力の指標としての健脚度(10m全力歩行、最大一歩幅、40cm踏台昇降)及び平衡機能(開眼単脚直立時間)が有意に改善し、また、大腿骨頚部と踵骨の骨密度の介入前後の低下の割合が、運動群で有意に小さいことが示された。
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