研究課題/領域番号 |
14370496
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
石井 脩夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (00074865)
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研究分担者 |
内野 博之 東京医科大学, 医学部, 講師 (60266476)
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所・細胞生理, 研究員
工藤 佳久 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20080179)
高橋 俊明 東京医科大学, 医学部, 助手 (30349451)
近江 明文 東京医科大学, 医学部, 講師 (70246221)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 低酸素 / CsJ / HIF(低酸素反応性因子) / カルシニューン / Cyclophilin D / DNA Chip / Na+ / Ca2+ exchanger (NCX) / MPT / Ca2_+濃度 / 免疫抑制剤 / DNA chip / NCX / カルシニューリン / イムノフィリン / 神経細胞死 / Calcineurin / 低酸素反応性因子(HIF) / Rat |
研究概要 |
平成14年度の研究ではCyclophilin Dの抑制薬のCyclosporin Jを前脳虚血モデルに投与し、抗虚血作用を解析した。その結果、脳虚血初期にはカルシニューリン活性阻害が必要不可欠でその後効果としてCyclophilin Dの抑制によるミトコンドリアの安定化が必要であるとの結論に至った。低酸素によって誘発される転写因子であるHIF-1αの前駆虚血における海馬での変動は、非薬物投与群において海馬CA1でのみ虚血再灌流24、48時間後にHIF1α蛋白発現の減少を示すがCsA群とFK506群では、mRNAレベルおよび蛋白レベルでのHIF1αの発現減少は認めなかった。以上より、HIF1αの発現抑制にカルシニューリン情報伝達系を介したメカニズムが関与していることが示唆された。平成15□16年度はカルシニューリン/イムノフィリン情報伝達系の低酸素性能神経細胞障害誘発への関与を解析するためにとDNAマイクロアレイによる関連遺伝子の補足と解析、低酸素下での海馬スライスの細胞内およびミトコンドリア内のCa2+濃度解析および低酸素とNa+/Ca2+exchanger発現の連関解析を施行した。DNAマイクロアレイによって14000種類の遺伝子発現を補足し、これらを代表的な9つの発現パターン(PCA)に分類し、クラスター解析にて虚血24時間後にCSA投与で変化せず、非薬物投与で変化する遺伝子パターンとしてPCA6を抽出した。PCA6には363個の遺伝子が含まれることが明らかとなった。ほとんどは機能等が不明の遺伝子であったが、受容体とチャネル関連、転写因子関連、蛋白および酵素、リボゾーム関連蛋白等の遺伝子合計で150個が判明した。また、低酸素下における細胞内およびミトコンドリア内のCa2+濃度は、非薬物投与によって増加し低酸素負荷中止後も持続した。免疫抑制剤のCsAは1mmol-5mmolで細胞内およびミトコンドリアのCa2+濃度上昇を有意に抑制し、0.1および10mmolではその抑制効果が消失した。FK506は0.1mmol-2mmolで有意に細胞内およびミトコンドリアのCa2+濃度上昇を抑制したが0.01mmolではその抑制効果が消失した。これらの結果より各種免疫抑制剤は細胞膜表面のCa2+濃度上昇を抑制することが判明した。さらにCa2+濃度の制御にカルシニューリンが関与している可能性が示唆された。NCX(sodiun-calcium exchanger)の虚血再潅流後の発現の変動は、非薬物投与群では経時的にその発現の減少が認められた。また、免疫制御剤のCsA(10mg/kg i.p.)およびFK506(1mg/kg i.p.)を投与した群ではNCXの経時的な減少は認められず、NCXの発現が維持された。これらの結果より、NCXの発現制御にもカルシニューリン情報伝達系が重要な役割を担っていることが判明した。低酸素性脳神経細胞障害誘発の機序にもカルシニューリン/イムノフィリン情報伝達系が深く関与することが判明した。
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