研究課題/領域番号 |
14370508
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 山梨大学 (2003-2004) 山梨医科大学 (2002) |
研究代表者 |
武田 正之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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研究分担者 |
荒木 勇雄 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (50252424)
深澤 瑞也 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (80252039)
神家満 学 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (90362061)
松下 和通 山梨大学, 医学部, 助手 (40293469)
土田 孝之 山梨大学, 医学部, 助手 (30217327)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | パニロイド / カンマビノイド / VR1とCB1 / 上皮型ナトリウムチャネル(ENaC) / 膀胱の求心性神経伝達 / Amiloride / バニロイド / カンナビノイド / Valilloid receptor / Cannabinois receptor / CB1 / VR1 / Prostatic cell / Benign prostatic hyperplasia / Prostatic cancer / Cell growth and cell death |
研究概要 |
過活動膀胱発症機序における上皮型ナトリウムチャンネル(Epithelial Sodium Channel : ENaC)の意義に関する研究 背景: 過活動膀胱(OAB : Overactive bladder syndrome)は、2002年に国際尿禁制学会によって新しく定義された症状症候群であり、尿意切迫感を必須症状とする蓄尿障害である。この尿意切迫感を引き起こすメカニズムは不明であり、尿意を伝達する求心性伝達機構の異常であることが想定されている。尿意を伝達する機械的受容体の本体は不明であるが、脊髄損傷などの病的状態においてはバニロイド受容体(VR1,VRL1)を多くぐ発現する無髄C繊維の役割が重要視されていた。最近、尿路上皮がATPなどの伝達物質を産生し、膀胱知覚の伝達に影響することが判明した(Fry, C.H.:Urology,2004)。われわれは、知覚の伝達に関係する候補物質のひとつである上皮型ナトリウムチャネル(ENaC : Epithelial sodium channel)に注目した。 対象および方法: 1)ヒトにおける検討:非閉塞状態のヒト膀胱上皮とOAB症状を呈するヒト前立腺肥大症患者の膀胱上皮を用いた。ENaCのサブユニットに対する抗体を用いた免疫組織学的検討によるタンパク質発現と、定量的RT/PCR法によるmRNA発現を調べた。 2)ラットにおける検討(in vitro):非閉塞状態の雌ラット膀胱上皮と下部尿路不完全閉塞を作成した雌ラット膀胱上皮を用いた。ENaCのサブユニットに対する抗体を用いた免疫組織学的検討によるタンパク質発現と、定量的RT/PCR法によるmRNA発現を調べた。 3)ラットにおける検討(in vivo):膀胱内圧測定による排尿筋収縮力と排尿間隔について調べた。ENaCの阻害薬であるAmilorideの効果についても調べた。 結果: 1)ヒトにおける検討:ヒト膀胱におけるENaCのサブユニット(α、β、γ)のたんぱく質の発現を認めた。閉塞膀胱では非閉塞状態のヒト膀胱上皮と比較して、ENaCのサブユニットのmRNAの発現が著明に亢進していた(Urology,64:1255-1260,2004)。 2)ラットにおける検討(in vitro):ラット膀胱におけるENaCのサブユニット(α、β、γ)のたんばく質の発現を認めたが、閉塞膀胱と非閉塞状態のラット膀胱上皮とでは、ENaCのサブユニットのmRNAの発現に差がなかった。 3)ラットにおける検討(in vivo):閉塞膀胱とは非閉塞状態の両者において、ENaCの阻害薬であるAmilorideは排尿筋収縮力には影響しなかったが、排尿間隔を著明に延長した。 4) 結論および考察: ヒトとラットとで、下部尿路閉塞状態でのENaCのサブユニット(α、β、γ)のmRNAの発現の程度に差はあるものの、ENaCは過活動膀胱の発症に関与している可能性が示唆された。
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