配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
1.27例の未治療顕性前立腺癌をCGH法にて解析し,13番染色体長腕の欠失頻度がこれまでの欧米の報告に比べ有為に低いことを発見し報告した. 2.またマイクロアレイによるCGH法を用いて11例の顕性前立腺癌における染色体上283領域の網羅的解析を行い,従来のCGH法との比較を行った.その結果,コピー数の減少(欠失)した領域におけるマイクロアレイ法とLOH解析との一致率は従来のCGH法とLOH解析との一致率に比べ,有意に高率であった(93% vs. 72). 3.EGFR(epidermal growth factor receptor)選択的チロシンキナーゼ阻害酵素抗体阻害薬(ZD1839)のホルモン感受性(LNCaPおよびDU-145の2株)およびホルモン抵抗性前立腺癌培養細胞株(PC-3)に対する効果発現メカニズムの解析を行った.それぞれの培養細胞にZD1839を10,1,0.1μM添加し,8日間にわたり細胞増殖抑制効果を検討した.ホルモン感受性または抵抗性細胞株のいかんに拘わらずZD1839 1μM以上の濃度において,dose-dependentに増殖抑制が認められた.wild typeと言われているDU-145株においては,他の2株に比べZD1839の抑制効果は有意に高度であった. 次いで,それぞれの培養細胞にZD1839を10μMの濃度で添加し,短時間(1時間)および長時間(24時間)培養後に,それぞれの細胞株よりtotal RNAを抽出し,cDNA microarray法で遺伝子発現を検討し,cluster解析法で解析した.PC-3では14遺伝子の,さらにLNCaPでは12遺伝子の発現低下が認められた.遺伝子の過剰発現は,PC-3では9遺伝子に,LNcaPでは21遺伝子に,DU-145では13遺伝子に認められた.また,DU-145においては薬剤投与後も発現に有意な変化が認められなかったがLNCapおよびPC-3で過剰発現した遺伝子はglycyl-tRNA synthetase遺伝子の1個であった.逆に発現低下が認められた遺伝子は7個であった.現在,論文作成中である.
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