研究課題
基盤研究(B)
本研究では、前立腺癌におけるホルモン依存性の喪失機序と再燃癌の病態の解明にプロテオミクス解析を中心とした手法の応用を試みた。前立腺癌の増殖に関わる重要分子であるチロシンキナーゼ型増殖因子受容体、アンドロゲン受容体共役因子等について解析を行った。今までにアンドロゲン依存性前立腺癌細胞LNCapとアンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞株PC-3、DU-145株より、タンパク分画を抽出し、抗チロシンキナーゼ抗体他を用い、ウェスタン法にてそれぞれ機能タンパク質を分離した。それぞれにつき、2次元電気泳動法を行い、アンドロゲン依存性LNCap細胞とアンドロゲン非依存性細胞とで異なる、泳動パターンを得た。この中で、特に注目すべき受容体の1つとして、アンギオテンシンII受容体AT1に注目し、詳しく分析した。これにつき、RT-PCR等でヒト正常前立腺組織に比して、前立腺癌組織、再燃前立腺癌組織の発現パターンを調べた結果、AT1受容体は前立腺組織で発現し、また、前立腺癌では強く発現することがわかった。またこの受容体のブロッカー薬剤より前立腺癌の増殖が抑えられるかどうかを調べ、このAT1受容体ブロッカーが、AT1からのシグナルとEGF受容体からのシグナルを両方をブロックし、これらの結果として、細胞を抑制することがわかった。さらにこの受容体の前立腺癌における特異的な型をプロテオミクス解析を用いて分析を続けており、同定に向けて研究を進行中である。これらの結果はまた本研究により再燃前立腺癌の新しい分子標的治療の可能性を明らかにできたものと考えられるので、これに基づく臨床応用(J.Urol.2005)の検討を行い、良好な結果を得た。また、その他前立腺癌の再燃にかかわる多くの知見と成果を得た。
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