研究分担者 |
水上 尚典 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40102256)
古田 伊都子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70238682)
片岡 宙門 北海道大学, 病院・医員 (50374377)
森川 守 北海道大学, 病院・医員 (00374380)
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
平山 恵美 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60360913)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
習慣流産患者の末梢血NK細胞の高活性が染色体正常流産の病因と関連し,抑制型レセプターであるKIR2DL1(CD158a)の発現低下が認められた.孤発例自然流産の脱落膜中NK細胞の解析で,CD158a,CD94,CD244の発現低下とperforin発現亢進が,染色体正常流産で認められた. 習慣流産患者の末梢血では,NKT細胞異常はなくT細胞数の減少が見られ,Th2/Tc2優位であった.子宮内膜中のCD3+細胞,CD4+IFN-g+細胞,CD4+TNF-a+細胞比率が低かった.Th1/Th2バランスやNKT細胞比率は,差異を認めなかった.習慣流産の病因として,新たにimmunodystrophism説を提唱した. 習慣流産の遺伝学的要因について解析を行った.GST M1 null(OR 2.2),CYP17 A2 allele(OR 2.4),およびIL-6 G allele(OR 0.46)が発症に関与していることを報告し,習慣流産が多遺伝子疾患であることを提唱した.カフェイン代謝酵素CYP1A2^*1F多型と妊娠初期カフェイン摂取量との関連解析によって,高活性型であるA alleleホモ型女性においてのみ,カフェイン摂取量に従い習慣流産リスクが増大すること(100-299mg/day OR 1.9,≧300mg/day OR 5.2)が判明した.習慣流産は,生活環境要因と遺伝学的素因とが関連して発症する生活習慣病であることが初めて明らかになった. CBA/J×DBA/2Jの系にpoly(I:C)を負荷することによって55%に流産を起こす免疫学的生殖不全マウスモデルを開発した.このマウスにintact型免疫グロブリンを投与することによって,流産を抑止できることが判明した.養子移入実験からMφ機能を修飾することで流産抑止効果を発揮することを世界で初めて発見した.
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