研究課題/領域番号 |
14370531
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
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研究分担者 |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
吉岡 信也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90333575)
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2002年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 胚 / hCG / 妊娠黄体 / 着床 / 免疫細胞 / クロストーク |
研究概要 |
胚からのhCGによる黄体刺激作用とその結果分泌されるプロゲステロンによる胚着床維持作用は、子宮内の胚と卵巣内の黄体、すなわち遠隔臓器間の胚と母体の相互作用の重要性を示しており、その意味で血流を介した胚-母体間の対話(クロストーク)の存在が妊娠成立・維持過程に不可欠な機構であると推論される。一方で、hCGのみでは妊娠黄体の維持機構が説明できないことが諸家より指摘されてきたが、これまでの研究者たちの精力的な研究にも関わらず、霊長類およびヒトにおいてhCG以外の液性因子の存在は同定されなかった。 このような背景をもとに本研究を推進したところ、ヒト妊娠黄体にてsystemicなクロストークの新しい担い手として末梢血中の細胞成分である免疫細胞が、胚から母体へ、または母体から胚への相互作用に重要な役割を演じている可能性が提示された。さらに妊娠成立・維持過程に不可欠な胚-母体間のsystemicなクロストークを、内分泌学的側面からのみならず、免疫学的および分子生物学的視点も含めて分析した結果、末梢血中の免疫細胞が妊娠黄体の機能を増強する作用があること、またこれらの細胞は子宮内膜へも作用して胚の着床に有利な分化を誘導すること、さらに着床した胚の子宮内膜間質内浸潤に対しても促進的に働くことが示された。 以上の知見から、胚の着床が内分泌・免疫系ネットワークによる調節機構によって総合的に制御されているという新しい概念が提示され、本研究は生殖医学上意義深い研究成果を挙げたと評価できる。
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