研究課題/領域番号 |
14370576
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高田 春比古 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30135743)
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研究分担者 |
上原 亜希子 日本学術振興会, 特別研究員
船山 ひろみ 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00359530)
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10241639)
多田 浩之 日本学術振興会, 特別研究員
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2003年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 歯肉線維芽細胞 / 口腔上皮細胞 / 自然免疫 / CD14 / Toll-like receptor / NOD2 / ジンジパイン / Protease-activated receptor / 線維芽細胞 / 上皮細胞 / 血小板 / 歯肉繊維芽細胞 / レクチン経路 |
研究概要 |
申請者らは、「多種・多数の細菌に直接晒される歯周組織にあっては、生体防御機構、特に自然免疫機構が恒常的に賦活されて、過剰応答が起こり組織破壊に至り、歯周病が発症する」との作業仮説に基いて研究を進めてきた。本研究プロジェクトでは、自然免疫系の研究の進歩に呼応して、歯周病を自然免疫に基く過敏症と捉える研究を推進して、次の成果を得た。(1)口腔上皮細胞の自然免疫応答:口腔上皮系細胞は内毒素性リポ多糖[LPS ; Toll-like receptor(TLR)4リガンド]、ペプチドグリカン(PGN ; TLR2リガンド)、ムラミルジペプチド(MDP;昨年、細胞内レセプターNOD2が解明された)に不応答だが、歯周病関連細菌の菌体成分には応答する。さらに、インターフェロンγで処理すると多くの菌体成分に応答して炎症性サイトカインを産生する。(2)歯周組織線維芽細胞の自然免疫応答:歯肉線維芽細胞は膜CD14(mCD14)を発現して、LPSに応答する。他方、歯根膜線維芽細胞はmCD14を欠いてLPS低応答だが、TLR2高発現でPGNには応答する。歯肉線維芽細胞をIFNγで処理すると、mCD14ならびにTLR系共通のアダプター分子Myd88の発現が上昇して、各種菌体成分に高い応答性を示す。歯周病原細菌と目されるPorphyromonas gingivalisの産生するジンジパインは歯肉線維芽細胞のmCD14を分解して、LPS応答性を減弱させる。(3)唾液中の遊離型CD14(sCD14):ヒトの唾液腺、特に漿液腺細胞はsCD14を産生する。耳下腺唾液のsCD14濃度は血清中のそれに匹敵する。同sCD14は歯周病原細菌と目されるActinobacillus actinomycetemcomitansの口腔上皮細胞への取り込みを促進して、同細胞の自然免疫応答を増強させる。(4)真菌マンナンのTLR4活性:口腔内にしばしば認められるCandida albicans等の真菌細胞壁構成多糖であるマンナンは、CD14/TLR4依存的にヒト単球系細胞を活性化する。
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