研究概要 |
平成14年度 1 HPVについて (1)沖縄県宮古島において健常人の口腔粘膜上皮内におけるHPVの感染状態の把握とヒトにおける感染様式の研究を行う。具体的には宮古島における20軒の歯科医院の歯科医師に協力をして頂き,口腔粘膜に異常のある入と無い人から特殊に改良されたブラシで擦過して粘膜上皮を採取し,これを冷凍庫に保存して貰う。定期的に回収して東京医科歯科大学,分子病態学の研究室でHPVの存在,HPVの型について検索を行う。宮古島の人口は約55,000人であるが,疫学研究で必要と考える2,000人からの試料を採取することを目指す。宮古島で型分類を中心としてHPV感染状況の分布図をつくり,HPVの感染経路について検索した。 (2)白板症の癌化した症例、多発癌の症例を用いたLOHおよびLOHの原因としてのDMメチレーシヨンとHPVの関連性について検索を行った. 2 細胞接着因子について (1)細胞接着因子であるデスモグレイン、デスモコリン、βカテニンを口腔癌で免疫組織化学的に検索して癌の動態との相関性を検索した。 平成15年度 1 HPVlこついて (1)口腔の扁平上皮癌、乳頭腫、白板症、紅板症、異型上皮の病変の手術の未固定材料からDNAを抽出して、Southern hybridization法でHPV・DNAを検出し,型分類を行う。口腔の扁平上皮癌、上皮内癌、乳頭腫、白板症、紅板症、異型上皮のパラフィン包埋試料よりDNAを抽出し、PCR法でHPVの検出と型分類を行い、またin situ hybridizationを行って、組織発生像との相関性を研究する。口腔癌の癌化におけるLOHと、DNAメチレーションについて白板症の癌化症例や多発癌症例を用いて検索する.またLOH, DNAメチレーションとHPVの関連性について検討した. (2)口腔扁平上皮癌の発癌機構に関する研究は分子生物学的研究が重要視される傾向にあったが、最近は分子生物学的研究と形態学的解析とを相関させることの必要性や重要性が強調されるようになってきている。口腔扁平上皮癌の発生はHPV、アポトーシス関連遺伝子、増殖因子、細胞接着因子、癌遺伝子、癌抑制遺伝子などの単一の原因ではおこらず、複数の要因の作用により発生するこを検索した. (3)口腔粘膜の白板症、紅板症、異型上皮、上皮内癌の全摘出手術材料を用い、組織学的異型度について部位分布をつくり、癌化の起こっている部を中心としてパラフィン包埋試料で、Loss of heterozygosity (LOH)の発現についで検索した。LOHの原因としてのDNAのメチレーションについて検索を行った.
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