研究課題/領域番号 |
14370581
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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研究分担者 |
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
依田 浩子 (依田 浩子(米持) / 伊田 浩子) 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
鈴木 誠 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50107778)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 扁平上皮癌 / 腫瘍間質 / 細胞共培養 / 細胞外基質 / 間質細胞 / in-situハイブリダイゼー / RT-PCR / マイクロディセクション / in-situハイブリダイゼーション / マイクロディセクション法 / In-situハイブリダイゼーション / 線様嚢胞癌 / 癌細胞 / リアルタイムPCR |
研究概要 |
口腔癌浸潤にともなう間質誘導の分子機構は未解明であったので、間質の主要構造である細胞外基質(ECM)分子を基軸に実質癌細胞と間質線維芽細胞との間での遺伝子発現から蛋白質生合成までを試験管内および生体組織内で比較検討した。 ヒト口腔扁平上皮癌由来細胞系ZK-1およびヒト間質線維芽細胞OF-1との間接および直性共培養法の条件で、それぞれの細胞のECM分子産生レベルをRT-PCR法および蛍光抗体法により、遺伝子ならびに蛋白質レベルで確認した。直接共培養実験では、マイクロディセクション法により二種の細胞を選択的に分離した。その結果、共培養実験では、1)総体的にECM分子産生量が上昇すること、2)ZK-1細胞はOF-1細胞との共培養によりそのECM産生レベルが低下することがしめされた。したがって、癌浸潤によって誘導される腫瘍性間質は間質在住の線維芽細胞により産生されることが明らかとなった。 つぎに、生体内で上皮内癌のように浸潤性を獲得していない段階から浸潤癌に変化する過程で、ECMの産生はどのように変化するのかを病理組織標本上で、パールカンほかのECM分子に対する抗体を用いた酵素抗体法、RNAプローブによるin-situハイブリダイゼーションを実施したところ、ECM分子は浸潤前は上皮層内に、浸潤後は間質空間にそれぞれ局在し、その産生担当細胞も浸潤開始の前後で癌細胞から線維芽細胞へと転換することが判明し、試験管内実験の結果に対応していた。 そこで、癌の浸潤とは間質誘導と同意語であるという概念を提唱するとともに、実質細胞から間質細胞に間質誘導の役割が転換する現象を間質誘導のスイッチング現象と名付けた。この概念は今後その詳細な遺伝子発現制御機序を解析する作業の仮説となるとともに、病理組織学的診断においても上皮内癌と浸潤癌の鑑別にもきわめて重要となった。
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