研究課題/領域番号 |
14370600
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
向後 隆男 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80001949)
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研究分担者 |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
飯塚 正 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168062)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
高橋 茂 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70241338)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 唾液腺癌 / 形態形質転換 / 性ホルモン / 精巣摘出 / 卵巣摘出 / エストロジェンレセプター / DMBA / ラット / 唾液腺腫瘍 / 性ステロイドホルモン / エストロゲンレセプター / 組織像の多彩性 / 実験的検索 / 唾液腺萎縮 / 導管結紮 / 筋上皮細胞 / 増殖活性 / エストロジェン / 組織像の変異 |
研究概要 |
唾液腺腫瘍は、多彩な組織像を示し、病態を多様化し、診断および治療に支障をきたすことが多い。その多彩性の要因の一つとして環境ホルモン(内分泌撹乱物質)に着目し、性ホルモンの影響を誘発唾液腺癌を用い病理組織学的に検索した。 1)DMBA誘発ラット顎下腺癌は、腺房の変性・消失、導管の変化が初期に生じ、その後、小導管の異型増殖を示し腺癌の発生をみた。腺癌の成り立ちには導管上皮や筋上皮の関与があった。正常顎下腺の筋上皮細胞は腺房と介在部導管にみられ、線条部、小葉内分泌導管にはなく、排出導管結紮による萎縮早期の小導管にみられ、太い導管には認められなかった。萎縮晩期では、太い導管の末梢にもみられた。PCNA発現は低値であった。 2)ラットの卵巣非摘出または卵巣摘出(OV)後に顎下腺にDMBAを投与、あるいはDMBA誘発腺癌発育後にOVやtamoxifen投与を行った。雌では腺癌が有意に多発し、OVでは腺癌から扁平上皮癌への形態形質変異が生じ、扁平上皮癌への移行傾向がみられ、移行像では小導管構成様細胞に形質変異を生じた。形態形質転換早期には腺癌構成エストロジェン・レセプター(ER)発現細胞にアポトーシスがみられ、形態形質転換晩期の扁平上皮癌様細胞ではER発現は殆ど消失した。その後、移行した扁平上皮癌の一部に再度ER発現細胞が認められるようになった。 3)精巣摘出(OR)後に顎下腺にDMBAを投与、DMBA投与後にOR、ORあるいはOV後にDMBA投与、DMBA投与後にORあるいはOVを行い発癌後にDiethylstilbestrol投与したもの等では、発癌過程、誘発癌の組織像に相異が種々みられた。類似した組織像でも、サイトケラチン、PCNA、S-100蛋白の発現動態に差異が認められた。 唾液腺癌の多彩な組織像や形態形質転換には性ホルモン、ER発現動態の関与が強く示唆された。
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