研究分担者 |
柳 文修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50284071)
此内 浩信 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20294423)
浅海 淳一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60184131)
松崎 秀信 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70325124)
久富 美紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60314704)
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研究概要 |
本研究は,ダイナミックMRIが,造影効果を経時的に観察することによって,腫瘍の血流動態を知ることが出来ることから,各種病変に特有の経時的造影パターンを分類することで,病変とくに腫瘍病変の良性・悪性の鑑別能を評価し,ダイナミックMRIの質的診断能について検討することであった。さらに種々の病変の性格の描出能について明らかにすることで,発現様相が不明な顎口腔領域特有の疾患についても検討を加えた。また,各種病変の経時的造影パターンの把握に加えて,ダイナミックMRI画像と同一平面の病理学的標本との比較により増殖細胞核抗原との相互の相関性を分析し,ダイナミックMRIによる非侵襲的な口腔癌の増殖能と予後判定の可能性を示した。 顎口腔病変におけるダイナミックMRIを分析し,CI curveやパラメーターが病変特有のパターンを持ち顎口腔領域の鑑別に有用である結果を以下のように得ている。 1.口腔扁平上皮癌におけるダイナミックMRIと各種免疫染色因子との関連を検討し,ダイナミックMRIが増殖細胞核抗原と相関していることから,腫瘍の増殖能を反映し予後因子としての役割の可能性を示した。 2.単純性骨嚢胞の造影パターンが特異的であり,他の病変と鑑別できることを示した。 3.多形性腺腫造影パターンを示し,他病変との比較を行うことで鑑別できる可能性を示した。 4.舌下腺腫瘍において悪性の唾液腺腫瘍は,正常舌下腺よりも早期に造影されることを示した。また,舌下腺腫瘍の境界がダイナミックMRIの早期像により他のシークエンスに比較してより明瞭に示されることを示した。 5.扁平上皮癌と悪性リンパ腫が造影パターンにより鑑別できる可能性を示した。 6.他の画像診断では鑑別が困難な場合もある含歯性嚢胞と腺様歯原性腫瘍が造影パターンにより鑑別できることを示した。
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